星空とピアス


幼なじみのヒナとは高校までずっと一緒で、どっちかが風邪で学校を休まない限りは毎日顔を合わせていた。
ヒナちゃんあそぼ、ゆうまくん宿題しよ!なんて無邪気にやってたのは小学生の頃までだけど、その後もお互いあまり男女を意識しないで一緒に過ごしていた。

嘘だ。

意識どころか、俺はずっと好きだったし、ヒナの隣に誰か他の男が立つなんて想像したこともなかった。
隣にあった横顔(小さいころはぷくぷくしていた)が、いつのまにか見下ろすくらい身長差が出ても気持ちは変わらなくて、ゆうま、背、のびすぎ。と拗ねたように俺を見上げる彼女のまるい瞳にいつも俺が映っているのが嬉しかった。

ヒナが親から頼まれた買い物に久しぶりにつきあって、ショッピングモールに行った時、ジュエリーショップをのぞいてかわいいあれ、可愛いね!と言っていたピアス。それを渡して今年こそ気持ちを伝えるつもりだった。バイトしてるのも内緒で、LINEで最近夜いなくない?と聞かれてもはぐらかしてたんだ。

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