意地悪な俺様上司と秘密の同居生活~異性には無関心だと思っていた彼だけど、結構独占欲強めの人でした~
そもそも、イベントというのは博覧会やフェスティバル、展示会や促進イベント、音楽やスポーツイベントなどの様々な種類に別れていて、性質やターゲット層、目的に応じて最も最適な形をとっていく。
渡された企画書は、とある商業施設イベントのもので、親子をターゲットにしたもので、こういう企画の場合、やっぱり子供がいる人の方が有利だったりする。
私は一人っ子だし、親戚にも私より下の子がいない事もあって、子供と関わる機会はあまりなく、こういう親子イベント系は少し苦手分野だったりするけれど、仕事となれば苦手でもやらなければならない。
思いつく限りのアイディアを書き出しながら、私だったらどういう企画を立てるか試行錯誤する。
そして、業務終了間近、ようやく形になったので日吉さんに提出してみると、「まあ、初めてにしては上出来だな」と褒められて、少しだけ自信に繋がった。
「今日はありがとうございました」
「初めてにしては上出来だが、改善点も沢山あったな」
「ですよね」
「まあ初めなんてそんなモンだろ」
仕事終わり、昨日同様同じバスに乗って駅までやって来た私たち。今日はこのまま電車に乗るようで、改札へ向かって歩いて行く。
そして、同じ方面の電車をホームで待つ。
(昨日は結局ホームに着いた時は電車はいっちゃってて、日吉さんがどっちの電車に乗ったのか分からなかったけど、同じ方面の電車に乗るんだ……)
ホームでは特に会話をする事はなく、そんな事を思いながら電車を待ち、それから十分ちょっとでやって来た電車に乗り込んだ。
「この時間はやっぱり混んでるな。あの辺りに立つか」
「そうですね」
車内は帰宅ラッシュ時とあって混んでいる事もあり、仕方なく日吉さんと共に端の方の空いていたスペースに立つ事になった。
(距離が近くて、落ち着かない……)
私たちの後からも人が乗り込んできたせいで壁際に追いやられた私のすぐ前に居る日吉さんとの距離が物凄く近く、どうすればいいのか分からなくなる。
(早く着いて欲しい……)
私が降りる駅はここから三駅で、時間にすると十分ちょっと。
この状況から一刻も早く解放されたいと願いながら駅に着くのを今か今かと待ち望み、ようやく降りる駅に着いた私は「それじゃあ、私、ここで降りるので……」と言って開いたドアから出ようとすると、
「何だ、お前もここで降りるのか。俺もここで降りるんだ。奇遇だな」
なんと、日吉さんと降りる駅が一緒だった事が判明したのだった。
渡された企画書は、とある商業施設イベントのもので、親子をターゲットにしたもので、こういう企画の場合、やっぱり子供がいる人の方が有利だったりする。
私は一人っ子だし、親戚にも私より下の子がいない事もあって、子供と関わる機会はあまりなく、こういう親子イベント系は少し苦手分野だったりするけれど、仕事となれば苦手でもやらなければならない。
思いつく限りのアイディアを書き出しながら、私だったらどういう企画を立てるか試行錯誤する。
そして、業務終了間近、ようやく形になったので日吉さんに提出してみると、「まあ、初めてにしては上出来だな」と褒められて、少しだけ自信に繋がった。
「今日はありがとうございました」
「初めてにしては上出来だが、改善点も沢山あったな」
「ですよね」
「まあ初めなんてそんなモンだろ」
仕事終わり、昨日同様同じバスに乗って駅までやって来た私たち。今日はこのまま電車に乗るようで、改札へ向かって歩いて行く。
そして、同じ方面の電車をホームで待つ。
(昨日は結局ホームに着いた時は電車はいっちゃってて、日吉さんがどっちの電車に乗ったのか分からなかったけど、同じ方面の電車に乗るんだ……)
ホームでは特に会話をする事はなく、そんな事を思いながら電車を待ち、それから十分ちょっとでやって来た電車に乗り込んだ。
「この時間はやっぱり混んでるな。あの辺りに立つか」
「そうですね」
車内は帰宅ラッシュ時とあって混んでいる事もあり、仕方なく日吉さんと共に端の方の空いていたスペースに立つ事になった。
(距離が近くて、落ち着かない……)
私たちの後からも人が乗り込んできたせいで壁際に追いやられた私のすぐ前に居る日吉さんとの距離が物凄く近く、どうすればいいのか分からなくなる。
(早く着いて欲しい……)
私が降りる駅はここから三駅で、時間にすると十分ちょっと。
この状況から一刻も早く解放されたいと願いながら駅に着くのを今か今かと待ち望み、ようやく降りる駅に着いた私は「それじゃあ、私、ここで降りるので……」と言って開いたドアから出ようとすると、
「何だ、お前もここで降りるのか。俺もここで降りるんだ。奇遇だな」
なんと、日吉さんと降りる駅が一緒だった事が判明したのだった。