意地悪な俺様上司と秘密の同居生活~異性には無関心だと思っていた彼だけど、結構独占欲強めの人でした~
「あー、疲れた……。やっぱりこういう場所は苦手だ……」
夕方、一通り園内を回り終えた私たちは車へ戻って来ると、運転席に座った日吉さんは椅子を倒して「疲れた」と口にした。
「苦手な割に日吉さん、途中から結構楽しんでましたよね?」
「そーか? ま、テーマパーク自体久しぶりだから懐かしい気持ちにはなったな」
「へえ? やっぱり、彼女と行ったりしてたんですか?」
「んな訳ねぇだろ。女とこういうとこ来んの面倒じゃん。並んでる時とかも暇だし。友達とだよ。思えば……女と来たのはお前が初めてだな」
「そ、そう……なんですか……」
日吉さんのその言葉に、不覚にも私は意識してしまった。
(異性と来たのは、私が初めて……だったんだ。まぁ、仕事で……だけど)
「しかしまあ、今日は七海のおかげで助かったよ」
「え?」
「俺一人だったら思いつかねぇような意見も聞けたし、色々な発見があったからな」
「そ、そうですか……お役に立てたのなら、良かったです」
「明後日話し合いで意見を纏めたら、金曜日にはパーク側と最終打ち合わせなんだ。俺の案が通ったら、パーク側との打ち合わせにはお前も同行させてやるよ」
「本当ですか!?」
「ああ、まあ、案が通ったらの話だけどな」
「大丈夫ですよ、きっと通ります!」
「ま、通ればいいな。さてと、道も混んでるだろうし、そろそろ出発するか」
「日吉さん、お疲れなのにすみません……何もお手伝い出来なくて……」
「別に、車の運転は嫌いじゃねぇし、そもそも誘ったのは俺だからな。ほら、シートベルト締めろ。出発するぞ」
「はい、それじゃあ、帰りもよろしくお願いします」
こうしてパークを後にした私たち。日吉さんが自宅へ向けて車を走らせていたのだけど、途中事故があったらしく道路が渋滞して全く進まなくなってしまった。
「進みませんね……」
「ああ。道変えるにしても、先に進まねぇとなぁ……」
「もう少し早く出て来れば良かったですよね……すみません、私のせいで」
そもそも、混まないように夕方前にはパークを出る予定でいたのだけど、私がどうしても乗りたかったアトラクションとお土産を買っていたらいつの間にか時間が過ぎて、夕方を過ぎてからパークを出て来た。
そのせいで渋滞に巻き込まれてしまったのだと思うと申し訳なく思ってしまったのだけど、
「別に、七海のせいじゃねぇだろ。ま、直に動くだろうし、待つしかねぇよ。それよりお前、あんまし飲み物飲まねぇ方がいいぞ。この渋滞じゃ暫くトイレにも行けねぇしな」
「なっ! 分かってますよ。もう!」
「はは、パークでのはしゃぎよう見てたら子供っぽかったから、ついな」
日吉さんは私が気にしないようにしてくれたのか、渋滞の事から話を逸らしてくれて、スムーズに流れるまでの間、気まずい空気にもならずに時間が過ぎて行った。
夕方、一通り園内を回り終えた私たちは車へ戻って来ると、運転席に座った日吉さんは椅子を倒して「疲れた」と口にした。
「苦手な割に日吉さん、途中から結構楽しんでましたよね?」
「そーか? ま、テーマパーク自体久しぶりだから懐かしい気持ちにはなったな」
「へえ? やっぱり、彼女と行ったりしてたんですか?」
「んな訳ねぇだろ。女とこういうとこ来んの面倒じゃん。並んでる時とかも暇だし。友達とだよ。思えば……女と来たのはお前が初めてだな」
「そ、そう……なんですか……」
日吉さんのその言葉に、不覚にも私は意識してしまった。
(異性と来たのは、私が初めて……だったんだ。まぁ、仕事で……だけど)
「しかしまあ、今日は七海のおかげで助かったよ」
「え?」
「俺一人だったら思いつかねぇような意見も聞けたし、色々な発見があったからな」
「そ、そうですか……お役に立てたのなら、良かったです」
「明後日話し合いで意見を纏めたら、金曜日にはパーク側と最終打ち合わせなんだ。俺の案が通ったら、パーク側との打ち合わせにはお前も同行させてやるよ」
「本当ですか!?」
「ああ、まあ、案が通ったらの話だけどな」
「大丈夫ですよ、きっと通ります!」
「ま、通ればいいな。さてと、道も混んでるだろうし、そろそろ出発するか」
「日吉さん、お疲れなのにすみません……何もお手伝い出来なくて……」
「別に、車の運転は嫌いじゃねぇし、そもそも誘ったのは俺だからな。ほら、シートベルト締めろ。出発するぞ」
「はい、それじゃあ、帰りもよろしくお願いします」
こうしてパークを後にした私たち。日吉さんが自宅へ向けて車を走らせていたのだけど、途中事故があったらしく道路が渋滞して全く進まなくなってしまった。
「進みませんね……」
「ああ。道変えるにしても、先に進まねぇとなぁ……」
「もう少し早く出て来れば良かったですよね……すみません、私のせいで」
そもそも、混まないように夕方前にはパークを出る予定でいたのだけど、私がどうしても乗りたかったアトラクションとお土産を買っていたらいつの間にか時間が過ぎて、夕方を過ぎてからパークを出て来た。
そのせいで渋滞に巻き込まれてしまったのだと思うと申し訳なく思ってしまったのだけど、
「別に、七海のせいじゃねぇだろ。ま、直に動くだろうし、待つしかねぇよ。それよりお前、あんまし飲み物飲まねぇ方がいいぞ。この渋滞じゃ暫くトイレにも行けねぇしな」
「なっ! 分かってますよ。もう!」
「はは、パークでのはしゃぎよう見てたら子供っぽかったから、ついな」
日吉さんは私が気にしないようにしてくれたのか、渋滞の事から話を逸らしてくれて、スムーズに流れるまでの間、気まずい空気にもならずに時間が過ぎて行った。