意地悪な俺様上司と秘密の同居生活~異性には無関心だと思っていた彼だけど、結構独占欲強めの人でした~
「はぁ……やっと着いた」
「お疲れ様です」
渋滞を抜けて日吉さんの住むマンション駐車場に着いたのは午後九時を回った頃だった。
「今日は本当にありがとうございました。明日は仕事ですし、今日は早めに休んでくださいね。それじゃあ、私はこれで」
車を降りて疲れ切っている日吉さんに声を掛けた私は自宅アパートに帰る為歩き出そうとするけれど、「おい」という声と共に腕を掴まれた私は反射的に後ろを振り返る。
「日吉さん?」
「お前、一人で帰るつもりか?」
「え? はい。すぐ近くですし」
「送る」
「ええ!? いや、大丈夫ですって! 日吉さん、運転して疲れてるだろうし、一刻も早く部屋に戻って休んでください!」
呼び止められたのは私を送る為だと知って焦り、流石に断ろうと首をブンブン横に振って全力で拒否する。
「別に送るくらい何ともねぇって。この前も送ったろ?」
(確かに、この前も送ってくれたけど、あれはまあ帰り道だったし……。けど、今日は日吉さんのマンション目の前だし、運転して疲れてるだろうし、近くだけど申し訳無さ過ぎるって!)
どうにか断ろうとひたすら「大丈夫、一人で帰る」と口にしていたものの、
「いいから行くぞ」
「ひ、日吉さん……」
埒が明かないと思ったのか車の鍵を閉めた日吉さんは先に歩いて行ってしまったので、私は後を追いかけるしかなくなり慌てて駆け出した。
「……本当にありがとうございました」
アパートに着いた私は深々と頭を下げてお礼を口にする。
「気にするなって。それより、明日は遅刻するなよ?」
「し、しませんよ! 日吉さんこそ、遅刻しないでくださいよ?」
「誰に言ってんだ。する訳ねーだろ。それじゃあな」
私の言葉に笑みを浮かべて返した日吉さんは手をヒラヒラと振ると、そのまま来た道を引き返して行った。
この日を堺に、私と日吉さんの距離はより縮まる事になる。
「お疲れ様です」
渋滞を抜けて日吉さんの住むマンション駐車場に着いたのは午後九時を回った頃だった。
「今日は本当にありがとうございました。明日は仕事ですし、今日は早めに休んでくださいね。それじゃあ、私はこれで」
車を降りて疲れ切っている日吉さんに声を掛けた私は自宅アパートに帰る為歩き出そうとするけれど、「おい」という声と共に腕を掴まれた私は反射的に後ろを振り返る。
「日吉さん?」
「お前、一人で帰るつもりか?」
「え? はい。すぐ近くですし」
「送る」
「ええ!? いや、大丈夫ですって! 日吉さん、運転して疲れてるだろうし、一刻も早く部屋に戻って休んでください!」
呼び止められたのは私を送る為だと知って焦り、流石に断ろうと首をブンブン横に振って全力で拒否する。
「別に送るくらい何ともねぇって。この前も送ったろ?」
(確かに、この前も送ってくれたけど、あれはまあ帰り道だったし……。けど、今日は日吉さんのマンション目の前だし、運転して疲れてるだろうし、近くだけど申し訳無さ過ぎるって!)
どうにか断ろうとひたすら「大丈夫、一人で帰る」と口にしていたものの、
「いいから行くぞ」
「ひ、日吉さん……」
埒が明かないと思ったのか車の鍵を閉めた日吉さんは先に歩いて行ってしまったので、私は後を追いかけるしかなくなり慌てて駆け出した。
「……本当にありがとうございました」
アパートに着いた私は深々と頭を下げてお礼を口にする。
「気にするなって。それより、明日は遅刻するなよ?」
「し、しませんよ! 日吉さんこそ、遅刻しないでくださいよ?」
「誰に言ってんだ。する訳ねーだろ。それじゃあな」
私の言葉に笑みを浮かべて返した日吉さんは手をヒラヒラと振ると、そのまま来た道を引き返して行った。
この日を堺に、私と日吉さんの距離はより縮まる事になる。