意地悪な俺様上司と秘密の同居生活~異性には無関心だと思っていた彼だけど、結構独占欲強めの人でした~
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イベント当日、この日は話に聞いていた通り、とにかく朝から忙しくてろくに休む暇も無かった。
日吉さんは責任者の方とやり取りをしたり、私たちへの指示出し等忙しく、私は他の社員の人たちと雑用やパーク側の補助的な役割をこなしていた。
だけど、忙しさの中でも来場してヒーローショーを楽しむ子供の姿や、親子やカップル、友達同士やお一人様でもキーワードクイズを懸命にこなす人々の姿を見る事が出来て胸が熱くなった。
この笑顔を見る為に、私はイベント会社に入りたいと思った訳で、早くもそれが叶っている事に人一倍嬉しさを感じていたと思う。
初日の一日目も最終日の二日目も滞りなく過ぎて行き、日吉さんは勿論社員全員で成功を喜んでいた。
そろそろ閉園時間が間近に迫っていた頃、キーワードクイズを終えて景品を貰う為に特設コーナーへやって来ていた男の人と、手伝いで景品を渡していたうちの会社の派遣さんが何やら揉めているのを見つけた私は急いで二人の元へ駆けていく。
「あの、どうかしましたか?」
「あ、七海さん。その、この方が景品を受け取りにきたんですけど、もう残っていなくて……」
状況を確認すると、景品を渡そうにも予想以上の来客だったのか景品が終了してしまったらしく残っていないのだという。
だけど、そうならないようとにかく沢山作り、余った際は公式サイトから多少金額はするけど来場出来ない人が買えるように出来るくらいの在庫を抱えていたはずだった。
もしかしたらもう閉園間近で誰かが片付けてしまったのかもしれないと思った私はすぐに電話で確認すると、思った通り既に保管場所へ戻っていた。
「お客様、只今係の者がすぐにお持ちしますので、今暫くお待ち下さい」
確認を終えて係の人がすぐに届けてくれるというのでその事を揉めていた相手の男の人に伝えると、
「……そうですか、分かりました、わざわざありがとうございます」
ボソボソと少し聞き取りづらい声だったけれどお礼を言われたので笑顔でそれに返してその場を後にした。
そして、閉園時間になってようやくひと息つけた私の元に日吉さんがやって来た。
「七海、二日間お疲れ」
「日吉さんも、お疲れ様です」
日吉さんが持って来てくれたコーラの缶を受け取ると、互いに労いの言葉を掛けながら乾杯してイベント成功を喜んだ。
日吉さんは責任者の方とやり取りをしたり、私たちへの指示出し等忙しく、私は他の社員の人たちと雑用やパーク側の補助的な役割をこなしていた。
だけど、忙しさの中でも来場してヒーローショーを楽しむ子供の姿や、親子やカップル、友達同士やお一人様でもキーワードクイズを懸命にこなす人々の姿を見る事が出来て胸が熱くなった。
この笑顔を見る為に、私はイベント会社に入りたいと思った訳で、早くもそれが叶っている事に人一倍嬉しさを感じていたと思う。
初日の一日目も最終日の二日目も滞りなく過ぎて行き、日吉さんは勿論社員全員で成功を喜んでいた。
そろそろ閉園時間が間近に迫っていた頃、キーワードクイズを終えて景品を貰う為に特設コーナーへやって来ていた男の人と、手伝いで景品を渡していたうちの会社の派遣さんが何やら揉めているのを見つけた私は急いで二人の元へ駆けていく。
「あの、どうかしましたか?」
「あ、七海さん。その、この方が景品を受け取りにきたんですけど、もう残っていなくて……」
状況を確認すると、景品を渡そうにも予想以上の来客だったのか景品が終了してしまったらしく残っていないのだという。
だけど、そうならないようとにかく沢山作り、余った際は公式サイトから多少金額はするけど来場出来ない人が買えるように出来るくらいの在庫を抱えていたはずだった。
もしかしたらもう閉園間近で誰かが片付けてしまったのかもしれないと思った私はすぐに電話で確認すると、思った通り既に保管場所へ戻っていた。
「お客様、只今係の者がすぐにお持ちしますので、今暫くお待ち下さい」
確認を終えて係の人がすぐに届けてくれるというのでその事を揉めていた相手の男の人に伝えると、
「……そうですか、分かりました、わざわざありがとうございます」
ボソボソと少し聞き取りづらい声だったけれどお礼を言われたので笑顔でそれに返してその場を後にした。
そして、閉園時間になってようやくひと息つけた私の元に日吉さんがやって来た。
「七海、二日間お疲れ」
「日吉さんも、お疲れ様です」
日吉さんが持って来てくれたコーラの缶を受け取ると、互いに労いの言葉を掛けながら乾杯してイベント成功を喜んだ。