意地悪な俺様上司と秘密の同居生活～異性には無関心だと思っていた彼だけど、結構独占欲強めの人でした～
「それではまた後日、色々とお聞きするかと思いますのでよろしくお願いします」
「はい、ありがとうございます。ご苦労様でした」

　あれから警察が来て現場検証や事情聴取などをされたけれど、気が動転していた私はあまり内容を覚えていなかった。

　そんな私に代わって日吉さんが全て対応してくれた。

　アパートの管理会社にも連絡をして壊された鍵やガラスをすぐに直してもらったものの、とてもじゃないけど誰かが侵入した部屋で過ごす事など出来ない私はひとまず貴重品などを旅行カバンなどに詰め、少しの間日吉さんのマンションに置いてもらう事になった。服はまあ洗えば良いかと数着持ち出し、下着は触られていたら気持ちが悪いからと新しい物をコンビニで購入する事にした。

「七海、お前はこの部屋を使え。俺はリビングで寝るから気にするな」

　日吉さんの部屋へやって来た私は、彼が寝室として使っているらしい部屋を使うよういわれたものの、

「いえ、置いてもらう身ですし、私がリビングで大丈夫です」

　流石に自分だけベッドを使わせてもらうのは申し訳ないと断るも、

「リビングじゃ着替えとか不便だろ？　女なんだから素直に個室使っとけ。それと、お湯張るから沸いたら先に風呂入れるよう荷物片付けて準備しとけよ」
「あ、日吉さん――」

　寝室に私の荷物を置いた日吉さんはそれだけ言ってドアを閉めてしまった。

　成り行きで日吉さんの部屋でお世話になる事になってしまった私は、時間が経つごとに緊張してくる。

(どうしよう……アパートに一人は無理だったから助かったけど、日吉さんのところに来る事になるなんて……)

　緊張はするけど、申し出は本当に有難かった。

　一人じゃどうする事も出来なかったから、日吉さんが居てくれて本当に助かった。

「……そう言えば、まだきちんとお礼言えてなかった……。とりあえず荷物片付けてお風呂の準備……お風呂に入る前にでもきちんとお礼言わなきゃ」

　徐々に落ち着きを取り戻した私は日吉さんに言われた通り荷物を片付けてお風呂の準備をする事にした。
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