意地悪な俺様上司と秘密の同居生活~異性には無関心だと思っていた彼だけど、結構独占欲強めの人でした~
(え? 私、何かしちゃったっけ?)
勤務終了して、ましてや会社を出たばかりなのに上司に呼び止められるとか、正直悪い予感しかない。
「あ、あの……私、何か……」
「はあ?」
「え?」
「何か身に覚えでもあるのか?」
「いえ、そんな事はないですけど」
「だったら何でそう思う?」
「だって、仕事終わりに、ましてや会社の外で上司に呼び止められたらそう思うじゃないですか」
「んな事はねぇだろ」
どうやら私が何かしてしまった訳ではないようでひと安心。
(って!! そうじゃない)
だったら何故私は呼び止められたのだろうか。
「お前、財布ないんだろ?」
「はい。ついさっきまで忘れてて、危うくバスに乗るところでした」
「阿呆だな」
「あはは、本当に」
ちょっとムカついたけど、本当の事なので言い返せず笑って流す。
「で、お前は歩いて駅まで行くつもりなのか?」
「ええ、まあ、それしかないので」
「俺が出してやるから、バスに乗れ」
「いえ! 本当に大丈夫ですから!」
「朝はタクシー代を出したんだ。バス代くらいで遠慮する必要はない」
「いや、それはそうかもしれないですけど」
そのタクシー代だって日吉さんは気にするなと言うけど、どんなに少額でも借りたままというのは嫌なので勿論返すつもりだし、ただでさえ教育係として面倒を見てもらうのに、これ以上仕事以外の事で迷惑かける訳にはいかないのだ。
「とにかく、私の事はお気になさらず、日吉さんはバスに乗ってください。それでは、お疲れ様でした」
ぺこりと頭を下げて挨拶をした私は再び歩き始めようとしたのだけれど、
「ったく、強情な奴だな。仕事の事でも話があるから、ついでにこの後飯でも付き合え。これは業務命令だ」
「えぇ!?」
腕を掴まれた私は再びその場で足を止める事になっただけではなく、業務命令と称してこの後ご飯を一緒に食べる事になってしまったのだ。
勤務終了して、ましてや会社を出たばかりなのに上司に呼び止められるとか、正直悪い予感しかない。
「あ、あの……私、何か……」
「はあ?」
「え?」
「何か身に覚えでもあるのか?」
「いえ、そんな事はないですけど」
「だったら何でそう思う?」
「だって、仕事終わりに、ましてや会社の外で上司に呼び止められたらそう思うじゃないですか」
「んな事はねぇだろ」
どうやら私が何かしてしまった訳ではないようでひと安心。
(って!! そうじゃない)
だったら何故私は呼び止められたのだろうか。
「お前、財布ないんだろ?」
「はい。ついさっきまで忘れてて、危うくバスに乗るところでした」
「阿呆だな」
「あはは、本当に」
ちょっとムカついたけど、本当の事なので言い返せず笑って流す。
「で、お前は歩いて駅まで行くつもりなのか?」
「ええ、まあ、それしかないので」
「俺が出してやるから、バスに乗れ」
「いえ! 本当に大丈夫ですから!」
「朝はタクシー代を出したんだ。バス代くらいで遠慮する必要はない」
「いや、それはそうかもしれないですけど」
そのタクシー代だって日吉さんは気にするなと言うけど、どんなに少額でも借りたままというのは嫌なので勿論返すつもりだし、ただでさえ教育係として面倒を見てもらうのに、これ以上仕事以外の事で迷惑かける訳にはいかないのだ。
「とにかく、私の事はお気になさらず、日吉さんはバスに乗ってください。それでは、お疲れ様でした」
ぺこりと頭を下げて挨拶をした私は再び歩き始めようとしたのだけれど、
「ったく、強情な奴だな。仕事の事でも話があるから、ついでにこの後飯でも付き合え。これは業務命令だ」
「えぇ!?」
腕を掴まれた私は再びその場で足を止める事になっただけではなく、業務命令と称してこの後ご飯を一緒に食べる事になってしまったのだ。