僕に依存してほしい。【ピュアBL】

怜視点。俺の歩夢なのに

 一緒にラーメンを食いに行った日から、歩夢が変わった気がする。

 秘密事をされたのは初めてで。
 正直、戸惑った。

 歩夢はあの日、深いため息をついた。それだけじゃない……。

「内緒」と言い、家とは逆方向に向かっていった。

 歩夢は小さい頃から本当の弟のようで、すごく大切な存在だった。 
 だから何かあればものすごく心配だった。この時も歩夢のことが心配になって……。

 気がつけば尾行していた。

 本屋に入っていき、何か欲しい本があっただけなのかと思いきや、人と出てきた。中学の時や塾に歩夢を迎えに行った時に見たことがある、歩夢の同級生でありイケメンな男と。

 そして本屋の裏側へ歩いていき、マンションに入っていった。別に友達とかなら、会うのを俺に内緒にする必要なくね?

 しばらく出てこなくて、寒い中ずっとぶるぶるして待っていた。しばらくするとふたりで外に出てきた。

 俺はショックを受けた。
 なぜなら最近全く見せてこない、歩夢のとびきりのスマイルをそいつに見せていたから。

 それだけじゃない。

 あの男は歩夢のマフラーを結び直し、ものすごく至近距離にいた。その光景はまるでカップルのようだった。

 その日から歩夢は一緒にいる時、スマホをちょいちょい見るようになったんだ。今まで全く見ることがなかったのに。もしかして、あいつと連絡とりあってるのか?

 イラッとした。

「歩夢、スマホで何してるの?」
「えっ? 友達とLINEしてる」
「友達とかぁ……どんな会話してるの?」
「ん、ふふふ……」

 笑って濁した。やっぱりあいつと何かあるのか?

 言えない会話なのか?
 俺の歩夢なのに!!
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