僕に依存してほしい。【ピュアBL】
「怜くん……神社も今、行ってきた」

 視線をこっちに合わせない歩夢。

「そっか、行ってきたんだ……」

 なんでだろう。
 寂しさが心の中に沁み広がっていく。

「歩夢くん、僕たちのこと教えてあげたら?」
「悠生くん、でも……」
「別に悪いことじゃないし、隠さなくてもいいと思うよ」

 もじもじししている歩夢にあいつはそう呟く。しばらくふたりは見つめあっていた。そしてあいつだけがこっちを向き、はっきり堂々と、俺に向かってこう言った。

「あの、実は僕と歩夢くん、恋人として付き合い始めました」
「……はっ?」
「怜くん、でもね……」

 続けて歩夢が何かを言おうとしたけど、あいつは歩夢の口を押さえ、それを止めた。

 予想外すぎる話。
 頭の中が真っ白になって、しばらく何も考えられなかったし、言えなかった。

 ショックすぎて、胸が苦しくなってずどんとその言葉がのしかかってきて。

――潰されそうだ。


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