僕に依存してほしい。【ピュアBL】
 神社に着いた。

 参拝する人たちの列は長い。俺みたいにひとりで来ている人もいるけど、友達同士や家族、それに恋人と来ている人も多くて。なんか楽しそうに会話している人や、会話はないけれど一緒にいるだけで幸せそうな人たちばかりが目に入ってくる。俺と歩夢も去年まではそんな感じだった。

 歩夢に、素直に一緒に行こうって言えてたら、今頃俺たちも一緒に並んでいるはずだった。素直じゃない自分に嫌気がさす。

 深いため息が勝手にこぼれてきた。

 とりあえず一番後ろに並んだ。歩夢と一緒にいる時に比べたら、順番が来るまですごく暇で、時間がめちゃくちゃ長く感じた。

 やっと順番が来た。

 俺らが健康であるようにと祈り、それから『ずっと歩夢と近くにいたい』とも祈った。

 それからおみくじを引いた。
 末吉で恋愛は『浮気心は捨てろ』。
 浮気って、恋人いねえし。

 歩夢は今年、おみくじを引いたのだろうか。多分こういうの信じるタイプだから、いつもみたいに俺がおみくじの場所まで連れていかなくても引いたんだろうな……。

 ――どんなおみくじを引いたんだろう。

 

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