僕に依存してほしい。【ピュアBL】
 あっという間に3月も過ぎていき。悠生くんとお付き合いのお試し期間が、あと2日。

 いつもみたいに悠生くんの家のベッドでゲームをして遊んでいる時だった。

「ねぇ、僕のどんなところが好きになったの?」

 悠生くんに質問してみた。4月から悠生くんとどうしたいかは決まりかけていたけど、本当にそれでいいのかな? どうしようかな?って考えていたら頭の中に浮かんできたこと。

 だって、悠生くんは中学で同じクラスの時もクラスの人気者だったし、カッコイイし。それに何でも出来て、僕にないものいっぱい持っててキラキラしている。きっとモテモテなのに、なんで僕なんだろう。

「なんでだろう……」

 悠生くんはスマホを見るのをやめてこっちを見つめてきた。

「中学の時、気がついたら歩夢くんのこと見るようになってて……目が合うとドキドキするようになって、それから……」
「僕を見てドキドキしてたの?」
「うん。でもね、告白するつもりはなかったんだ。歩夢くんの恋を応援する気持ちだってあった。でもね、悩み相談聞いてたり一緒に遊んでたりしていたら、ずっともっと歩夢くんと一緒にいたいなって思って。勇気を出して、告白しちゃった」

 悠生くんは黙ってずっと見つめてきた。
 見つめられすぎて困って、困りすぎて苦笑いした。

「そう、それ!」
「えっ?」
「歩夢くん、困ったらとりあえず笑うでしょ?」
「……笑うかも。どうしようってなりすぎて」
「それがきっかけかな?」

 悠生くんも微笑んできた。

 全く記憶になかったけれど、中学の時、僕たちが隣の席だった時に僕のことを可愛いなってずっと見つめてたら、僕が苦笑いしたらしい。

「ふふっ、本当にそれがきっかけなの?」
「本当だよ」

 微笑みながらずっと見つめてくる悠生くん。もう一回困って苦笑いすると、ぎゅってしてきた。

 温かくて、気持ちよかった。

「ねぇ、まだお試し期間で答え聞くのに早いけど、本格的に付き合って?」

 抱きしめられながら、僕は「うん」ってうなずいた。

 僕の予定では〝恋人の好き〟になれないから、断ろうかなって思っていたのに。おかしいなぁ。うなずいちゃった――。

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