僕に依存してほしい。【ピュアBL】
「あのね、怜くんがスマホばっかり見て、スマホと恋人みたいで。スマホに嫉妬したからこれを書いたの」
「はっ? スマホに嫉妬?」
「うん……本当は僕ね……」

 歩夢は急に、もじもじしだした。

「怜くんのスマホみたいに……怜くんの恋人みたいになりたかったの」
「……いや、俺スマホと恋人じゃねーし。っていうか俺と、恋人?」

 歩夢は下を向いて目を合わせない。

 スマホと恋人とか意味が分からないけど、歩夢はもしかして俺と同じような気持ちだったのか?

 歩夢の気持ちを聞いたら、俺の気持ちも言って大丈夫なのかな?って思ってきた。

 俺も、きちんと伝えたい。
 歩夢への気持ちを――。

「歩夢、俺も伝えたいことが……」
「あ、電話」

 歩夢に大事なことを伝えようとした時、歩夢のスマホのバイブがなった。

「あ、もしもし悠生くん? うん、家に着いたよ……ちょっと待って? 確認してみる」

 歩夢はカバンの中を覗いて何かを確認している。

「それ、僕のだ。今から取りに行くね」

 歩夢は電話を終えると、再び出かけようとした。

「どこ行くの?」
「悠生くんの部屋にうちの鍵落としちゃってたみたいで、取りに行くの」

「……行かないで?」

 気がつけば歩夢の腕をしっかり掴んでいた。

< 40 / 45 >

この作品をシェア

pagetop