僕に依存してほしい。【ピュアBL】
「いや、でも……」
「もうスマホ、本当に用事がある時しか見ないから。俺、歩夢のこと弟として好きだと思ってたけど、それは違って……歩夢のこと、恋愛の好きなんだと思う。俺と恋人になってほしい」

 愛おしい、嫉妬、隣にいたい、喜ばせたい……そして意識しだしてからは、心臓がうるさい。

 そう、きっと歩夢に対してのこの気持ちは、恋。歩夢が離れそうになって、初めて気がついた。

 歩夢への気持ちを、きちんと伝えられた。

 歩夢はしばらくぽわんとして、動かなくなった。
 そして呟いた。

「悠生くんと本当の恋人になったこと、キャンセルした方がいいかな? ねぇ、どうしたらいい?」

「いや、さすがにどこかに予約したとかじゃないから、簡単にキャンセルは出来ないと思う」
「だよね……」

 歩夢の目を真剣に見つめた。

「……歩夢はいつも流されやすくて、俺のあとばっかりついてきて……だから俺が別れろって言えば、きっと歩夢はあいつとすぐに別れるだろ? でも、どうしたいか、自分の考えがあるんだったら、自分の意思でどうするか決めればいいと、思う」

 キャンセルしろってひとこと言えば、簡単にあいつと歩夢は別れると思った。だけど、歩夢の意思で決めてほしい。

 歩夢の意思できちんと、俺を選んでほしい――。

 歩夢はどうするのか、これからどうなるのかは予想できた。
 だって、一番近くにいるのは、俺だから。
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