僕に依存してほしい。【ピュアBL】
 悠生くんのパーティーに招待してくれた。招待されると、仲間になるから一緒に冒険が出来るみたい。細かい設定も色々やってくれて、ゲームで快適に遊べるようにしてくれた。

 最初は戦う練習みたいな感じで。
 弱い敵が出てきてすぐにクリアした。

「やったー!」と喜びながら画面を見ていると悠生くんがこっちをじっと見ている感じがした。今だけじゃなくて、多分さっきからいっぱいこっちを見ている。

 悠生くんを見ると、やっぱりこっちを見つめていた。僕が首をかしげると悠生くんが「可愛いな」って微笑みながら僕の頬を触り呟いてきた。

 あれ? おかしいなぁ。
 顔がなぜか熱くなった。

「あ、ごめんね」

 慌てて悠生くんは僕の頬から手を離した。

「大丈夫だよ! そろそろ帰ろうかな?」

 大丈夫だよって言いながらも、悠生くんから離れようとして急いで立ち上がっている自分。

 帰る準備をすると、外まで送ってもらった。

「まじない上手くいくか知りたいから、もしめんどうじゃなかったらLINEでどんな状況かとか送ってね?」
「気にしてくれて、ありがとう」
「いえいえ、悩みごとでもなんでもまた聞くし。あと、暇な時、一緒にまたゲームやろうね! 離れていても一緒に出来るから」
「うん、LINEするね! またね!」
「バイバイ!」

 僕が帰る方向を向くと「待って!」と呼び止められた。

「歩夢くんのマフラー結び直していい?」
「マフラー?」

 僕はうなずく。

 いつも黒いダッフルコートを着て、適当に巻いている黒チェックのマフラー。悠生くんに結び方を直してもらったら、首元の温かさが増した。

「ありがとう」
「どういたしまして」
「じゃあね、バイバイ!」

 再び帰る方向を向いた。

 まじないの願い、叶うかな?
 悠生くんに細かく状況を連絡しなくちゃ。
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