貴方の声が、心が聴きたい

プロローグ

人間関係なんてテキトウにこなしておけばいい。

誰が何を思っていて、何を言えばどういう反応をするのかなんて考えなくても分かることだった。

これは言っても良いことなのか、そんな試行錯誤なんかしなくても全てが分かってしまった。

あの日から、人間関係に失敗したことはなかった。

いじめられて、お父さんが亡くなって、不気味がられて。

これからも、ずっとずっとそうしていけばいいと思ってた。

でも────


「何、お前」


そういった彼からは何も感じられなかった。

感情がまるで読めなかった。


「今日からお前は俺のオモチャだ」


その言葉に、素直に頷いてしまった。


ウソつきな彼の本当の声が、心が聞きたくて…………。


















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