貴方の声が、心が聴きたい
オモチャ初日
次の日、朝学校へ行くと、スマホに通知が来ていることに気が付いた。
10分ほど前の遥人さんからのメッセージを告げる通知だった。
[会いたい。3-3]
私は、他クラスで、しかも3年生の前で遥人さんに何かされるということだろうか。
まだ早いため、人はまばらだが、いないわけではないから誰がどこで見ているかなんて分からない。
それでも、私は3-3を目指した。
「ねえ、みた? 中城来てるんだけど」
「珍しいよな。中城がこんな早いの」
3年生の廊下では遥人さんの話題が飛び交っていた。
3-3について教室に入ろうとしたとき、出てくる人とぶつかった。
「あっ、ごめん………って、2年生? 何でこんなところに」
その人はモカブラウンの髪の毛先を遊ばせていてチャラそうにも見えるが、長い前髪によって左目が隠れていたため、ミステリアスな雰囲気を漂わせていた。
「あれっ、もしかして院瀬見澪ちゃん?」
どうやら相手は私のことを知っているようで、私はどうするべきか悩んだ。
「あの、はい。院瀬見です。何故、知っているんですか? 面識ありましたっけ」
「面識はないよ。でも、あれだけ騒がれてれば……。君、遥人級に有名だから」
ええっと………“遥人級”の遥人は遥人さんのことだろうか。
下の名前で呼んでいるということはかなり親しいらしい。
「澪」
謎の先輩と話していると、遥人さんの声がした。
10分ほど前の遥人さんからのメッセージを告げる通知だった。
[会いたい。3-3]
私は、他クラスで、しかも3年生の前で遥人さんに何かされるということだろうか。
まだ早いため、人はまばらだが、いないわけではないから誰がどこで見ているかなんて分からない。
それでも、私は3-3を目指した。
「ねえ、みた? 中城来てるんだけど」
「珍しいよな。中城がこんな早いの」
3年生の廊下では遥人さんの話題が飛び交っていた。
3-3について教室に入ろうとしたとき、出てくる人とぶつかった。
「あっ、ごめん………って、2年生? 何でこんなところに」
その人はモカブラウンの髪の毛先を遊ばせていてチャラそうにも見えるが、長い前髪によって左目が隠れていたため、ミステリアスな雰囲気を漂わせていた。
「あれっ、もしかして院瀬見澪ちゃん?」
どうやら相手は私のことを知っているようで、私はどうするべきか悩んだ。
「あの、はい。院瀬見です。何故、知っているんですか? 面識ありましたっけ」
「面識はないよ。でも、あれだけ騒がれてれば……。君、遥人級に有名だから」
ええっと………“遥人級”の遥人は遥人さんのことだろうか。
下の名前で呼んでいるということはかなり親しいらしい。
「澪」
謎の先輩と話していると、遥人さんの声がした。