貴方の声が、心が聴きたい
「あれ、知り合い? 遥人が女の子と話してるの珍しいね」

(かない)、何で澪と話してんの」

「いや、今ちょっとぶつかってさ。2年生がいるの珍しいなって気になって話してた」

「へぇ………。あ、澪。こいつは腐れ縁の都鹿(とがの)叶。まあ、喋ることもないだろうし覚えなくてもいいけど」

「遥人、なんてこと言うんだ。遥人の澪ちゃんじゃないんだし………」

「………は? 澪は俺の所有物(モノ)だけど」


いや、怒らなくても………。


「………え?」


あ、都鹿先輩絶対に勘違いしてる。


「澪、もうだめ。叶、今後一切澪に近付かないで」

「え、遥人さんっ」

「えー。ひどくない?」

「ていうか、澪のこと呼び出したの俺だから叶のほうが澪と話してんのおかしいしずるくない」


遥人さんはむっとして言った。


「はいはい分かりましたよ。邪魔者は消えますよ」


都鹿先輩は諦めたように両手をあげるとくるりと後ろを向いて去って行った。


「遥人さん、なんで教室に呼ぶんですか」

「は? お前は俺がいるところにいればいいの。文句言わないでくれない?」

「だって、人いっぱいいるじゃないですか……」

「そういうところがかわいーんだけど、俺の所有物(モノ)ならやってくれるよね」

「なにを、すればいいんですか」

「俺の膝乗って。可愛く甘えてほしいな」

「………へっ?」


遥人さんの発言に、教室が少しザワついた。
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