惑わし総長の甘美な香りに溺れて
「だから、ごめんね。陽を不機嫌にさせちゃうみたいだけれど、私はもう自分を偽りたく無いの」
「……」
伝え終えると、陽は手のひらで自分の目元を覆った。
はあぁーーー、と深いため息をついたと思ったら、手を掴まれて「来いよ」と陽の部屋に連れ込まれた。
陽の部屋にはあまり入ったことがないけれど、足を踏み入れた途端甘い薔薇の香りがする。
陽の香りだ……。
その陽の香りが、ドアが閉まると同時に強くなる。
自室に入った途端、陽に抱き締められたから。
「あーも! やっぱ独り占めしたい! モモを見る他の男の目を潰してやりたい!」
「そっ、それは流石に止めてあげて!?」
あまりにも物騒な言葉に思わず制止を口にすると、返事の代わりに腕の力が強くなった。
大好きな陽の香りと体温に包まれて、私は胸に温かなものを感じながら「それに」と続ける。
「私は陽しか見ていないから……ちゃんと独り占め出来てるよ」
告げると、フッと腕の力が弱くなる。
緩んだ分距離を開け見上げると、チラチラと炎が揺らめく黒い目が私を見下ろしていた。
「なにその殺し文句、今すぐ抱きたくなるだろ?」
「え? は――んぅっ」
殺し文句なんて言ったつもりはなかったから聞き返そうとしたけれど、ちゃんと声を上げる前に唇を塞がれてしまった。
「……」
伝え終えると、陽は手のひらで自分の目元を覆った。
はあぁーーー、と深いため息をついたと思ったら、手を掴まれて「来いよ」と陽の部屋に連れ込まれた。
陽の部屋にはあまり入ったことがないけれど、足を踏み入れた途端甘い薔薇の香りがする。
陽の香りだ……。
その陽の香りが、ドアが閉まると同時に強くなる。
自室に入った途端、陽に抱き締められたから。
「あーも! やっぱ独り占めしたい! モモを見る他の男の目を潰してやりたい!」
「そっ、それは流石に止めてあげて!?」
あまりにも物騒な言葉に思わず制止を口にすると、返事の代わりに腕の力が強くなった。
大好きな陽の香りと体温に包まれて、私は胸に温かなものを感じながら「それに」と続ける。
「私は陽しか見ていないから……ちゃんと独り占め出来てるよ」
告げると、フッと腕の力が弱くなる。
緩んだ分距離を開け見上げると、チラチラと炎が揺らめく黒い目が私を見下ろしていた。
「なにその殺し文句、今すぐ抱きたくなるだろ?」
「え? は――んぅっ」
殺し文句なんて言ったつもりはなかったから聞き返そうとしたけれど、ちゃんと声を上げる前に唇を塞がれてしまった。