惑わし総長の甘美な香りに溺れて
かわいいイケメン義弟
徐々に騒がしくなっていく教室の様子を気にも留めず、私はカバーを付けた本のページをめくった。
顔を隠すように長めにしている前髪が少し邪魔で、指先でちょっと寄せる。
「おい陽! サッカー付き合えよ!」
すると、隣のクラスのサッカー部員の声が廊下から聞こえてきた。
いくらサッカー部でも高校二年にもなって朝から友達を誘って遊ぶとか、元気だなって思う。
でも、そんなサッカー部男子の声よりも呼ばれた名前の方につい反応してしまった。
チラッと廊下の方を見てみると、開けられたままのドアから金色の髪が見える。
「いーけどさ、お前朝から元気すぎ」
友だちに対して苦笑いを浮かべている顔が、私の視線に気づいたのかフイッとこっちを向く。
とたんに外の太陽よりも明るい笑顔が向けられドキッと私の心臓が跳ねた。
パッチリとした二重の黒目が嬉しそうに細められて、形のいい唇の両端が上がる。少しだけ開いた口からは白い歯が見えていた。
そんな爽やかでかわいいイケメンスマイルを向けてきた彼は、そのまま私にひらひらと手を振る。
明らかに人気者オーラをまき散らしている相手に手を振られて、私はぎこちなく振り返した。
顔を隠すように長めにしている前髪が少し邪魔で、指先でちょっと寄せる。
「おい陽! サッカー付き合えよ!」
すると、隣のクラスのサッカー部員の声が廊下から聞こえてきた。
いくらサッカー部でも高校二年にもなって朝から友達を誘って遊ぶとか、元気だなって思う。
でも、そんなサッカー部男子の声よりも呼ばれた名前の方につい反応してしまった。
チラッと廊下の方を見てみると、開けられたままのドアから金色の髪が見える。
「いーけどさ、お前朝から元気すぎ」
友だちに対して苦笑いを浮かべている顔が、私の視線に気づいたのかフイッとこっちを向く。
とたんに外の太陽よりも明るい笑顔が向けられドキッと私の心臓が跳ねた。
パッチリとした二重の黒目が嬉しそうに細められて、形のいい唇の両端が上がる。少しだけ開いた口からは白い歯が見えていた。
そんな爽やかでかわいいイケメンスマイルを向けてきた彼は、そのまま私にひらひらと手を振る。
明らかに人気者オーラをまき散らしている相手に手を振られて、私はぎこちなく振り返した。