惑わし総長の甘美な香りに溺れて
「おい、何やってんだよ。行くぞー」
「はいはいっと」
もう一度呼ばれた彼、藤沼陽は仕方ないなーって顔になって私の視界から消える。
「……早くも人気者だな」
お日様みたいな陽がいなくなって、私はポツリと呟く。
藤沼陽。彼はこの春隣のクラスに編入してきた同級生の男子だ。
……そして私、藤沼萌々香の義弟でもある。
初めて陽に会ったのは去年の終わりころ。
お父さんと再婚するお義母さんの連れ子ってことで、みんなで顔合わせをしたときだった。
あのときはお互い同級生の義理の姉弟なんて、って感じで今みたいな笑顔を向けてきたりはしなかったんだけど……。
一緒に暮らし始めて少ししてからかな?
『モモっていい匂いするんだな?』
なんて言われてから今みたいにとっても懐くようになっちゃったんだよね。
いつのまにかモモなんて愛称で呼ばれてたし、いきなりすぎて私の方が戸惑ってる。
……まあ、かわいいし、カッコイイし……嫌ではないんだけど。
ただ、あまり目立ちたくはないから学校では必要以上に構ってこないでほしいかな。
「はいはいっと」
もう一度呼ばれた彼、藤沼陽は仕方ないなーって顔になって私の視界から消える。
「……早くも人気者だな」
お日様みたいな陽がいなくなって、私はポツリと呟く。
藤沼陽。彼はこの春隣のクラスに編入してきた同級生の男子だ。
……そして私、藤沼萌々香の義弟でもある。
初めて陽に会ったのは去年の終わりころ。
お父さんと再婚するお義母さんの連れ子ってことで、みんなで顔合わせをしたときだった。
あのときはお互い同級生の義理の姉弟なんて、って感じで今みたいな笑顔を向けてきたりはしなかったんだけど……。
一緒に暮らし始めて少ししてからかな?
『モモっていい匂いするんだな?』
なんて言われてから今みたいにとっても懐くようになっちゃったんだよね。
いつのまにかモモなんて愛称で呼ばれてたし、いきなりすぎて私の方が戸惑ってる。
……まあ、かわいいし、カッコイイし……嫌ではないんだけど。
ただ、あまり目立ちたくはないから学校では必要以上に構ってこないでほしいかな。