君へ
誰だって頑張れるわけじゃない。

少しの傷が自分にとっては致命傷に感じる時もあるでしょ。

誰だって偉大な人間になれるわけじゃない。

誰かから尊敬されて大切にされて。
私がそんな人間なんかじゃないことを君は知ってるはず。

君と過ごした1年間はその証明みたいなもの。

誰だってスーパーヒーローになれるわけじゃない。

ちっぽけでいつ居なくなっても
誰も気づかないし、誰もがその事実を素通りしていくようなそんな人間。

まぁ、知らない人間が寿命を迎えたとして
それを悲しむ人間は数少ないと思うけど。

私は、ずっと小さな傷を治せないで永遠に痛いって思いながら生きていくような人だから、
きっと君はイラついてたんじゃないかな。


でもね。
勝手だけど、たった1年間だけど、君と出会えてよかった。

別にひとりでいるのが苦痛だったわけじゃない。
でも、君といる時間が楽しいと思ったのも事実で、それはそれで良かったなって。

君は、学校の成績がどうかは知らないけど、賢い人間だから私みたいな過去の登場人物はすぐに忘れて、
素敵な行動を起こすんじゃないかな。

大丈夫だよ。
君が思っている以上に厳しい現実もあるけど、優しい時間があることも忘れないでね。

時に人と比べて勝手に落ち込んで
暗い部屋で1人泣く時間も

自分が優位に立ってると思って
天狗になっちゃう時も

自分の優しさに見返りを求めて
勝手に怒っちゃう時も

落ち着くまで少し待ってみて。
いつか笑えたらそれでいいんだよ。

…最後まで自分らしく綺麗事ばかり並べてみたんだけど、君はきっと苦虫を噛み潰したような顔をして読んでるんだろうね。

あの時、私を見つけてくれてありがとう。

ぼそっと「座敷わらし…?」って言ったのは忘れないけどね!

またね。
どうか、君が君であり続けますように。
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