その手で結んで
翔琉の友達は
ーピンポーンー
部屋にインターホンのベルが鳴り響いた。
応答する、というボタンを押して見ると翔琉と同じ制服を着た男の子がたっていた。
うーん、どちら様??
『すみません。僕は翔琉の友人、新井 知弘(あらい ちひろ)といいます。今お時間よろしいでしょうか?』
翔琉の友人!!
「わかりました!今、開けますね」
「こんにちは」
玄関を開けて彼を見る、翔琉の友人だからかなんなのかは知らないが彼はイケメンだ。
彼の第一印象は人当たりのいい優等生って感じ。なんかはじめの頃の翔琉と似てるんだよね。もしかしたら翔琉は彼を真似てたのか!?
「突然おじゃましてすみません。あの、失礼ですが貴方が舞白さんですか?」
「へっ!?は、はい…………そうです。ちょっと待ってください!まさか翔琉が変なこと言ってませんよね?」
そう聞くとイケメンは微笑んだ。
あ、これ聞いてるやつだ。あいつ何を言ったんだ。何を言ったんだ!!
「大丈夫ですよ。翔琉は舞白さんのことしか話しませんから」
「いや、それ大問題だから!」
フフフとイケメンは花が咲いたように笑う。
「ごめんなさい、舞白さんが面白くてつい意地悪してしまいました。あ、そうだ。翔琉のことで何か困ったことがあれはいつでも連絡してください。連絡先は渡しておきますね」
と、爽やかスマイルで私の手に連絡先が書いた紙を渡される。
「と、年上をからかわないでくださいね!一応受け取っておきますけど…………」
「ふふ、はい」
あぁー!!この子も悪魔だよ!!初対面でこれは悪魔だよ!!
すると、ギィ、と後ろの扉が開いた。
後ろから冷気が流れ込んで来る。
「やぁ、翔琉!元気そうで何よりだよ。昨日早退しただろ?だから課題のプリントもってきたぞー」
と、爽やかに知弘君はいった。
振り替えると翔琉があからさまに嫌そうな顔をしながら見ていた。
「知弘、ここには来るなって言ったよな」
ズンズンとやってきて、知弘君と私を阻むように立つ。
「ちょっと!翔琉の為に来てくれたんだからその態度はダメだよ」
翔琉をどかそうとするにもびくとも動かない
「バカなの?こいつがそんなことするわけないじゃん。部活後に暇だから遊びにきただけだって、関係ない舞白はあっちいってて」
と、後ろを向かされて、背中を押される
「なっ!?」
「あはは、余裕ない翔琉は面白いね。ごめんなさい舞白さん、プリントは口実で本当は舞白さんに会いにきたんです」
「え?」
知弘君を見てキョトンとした。
「知弘、わかってると思うけど、これ以上は許さー「わかってるよ」
と、キラキラした笑顔で翔琉の肩を軽く叩くと知弘君は舞白の前にたつ。翔琉と並んで見るとこの子背が高いなぁ。
「また会いに来てもいいですか?舞白さんと仲良くなりたいんです。……ダメですか?」
と、あざとい顔でお願いされる。
ま、眩しい!!!顔が良すぎる。
「いいですよ!」
と即答してしまった。
「お前…………」
翔琉を見ると怖い顔をしていた。
あ、ついイケメンの前だと肯定の言葉を発してしまう。
「知弘、絶対そこから動くなよ」
と、翔琉は聞いたことないほどの低い声で知弘に言い放つと、
舞白の腕を掴んでリビングに引きずられていく。
あ、あれー!?