僕の秘書に、極上の愛を捧げます
「ちょっと待て・・。酔ったのか? もしかして、ものすごく酒に弱かったか? そうだ、水・・佐伯に水を持ってきてもらおう」
呼び鈴に手をかけようとした専務の腕を、そっとつかんで首を左右に振る。
「・・酔ってません。専務を・・独り占めしたくなっただけです」
専務は、私が以前言い放った言葉に引っ掛かっているはずだ。
『専務に『ダメか?』って聞かれて、断れる女性なんているんですか?』
専務の周りにいる女性たちのひとりになりたくなかった。
同じように扱われたくなかった。
特別な女性・・で、いたかったから。
たとえそれが、仕事上だけだとしても。
けれど、真っ直ぐに好きだと伝えてくれて、いま私だけを見ている専務に、私自身が抱かれたいと思ってしまったのだ。
「ダメ・・ですか?」
そう言った私から視線を外し、専務は大きく息を吐いた。
「自分が何を言ってるか、本当に分かってるのか?」
私は頷く。
「・・本当に、朝まで一緒にいても構わない?」
もう一度、頷いた。
「じゃあ、出よう」
専務はスパークリングワインのボトルを右手に持ち、私の手を左手に繋いでカウンターを出る。
「佐伯、これ持って帰る」
「ん? ああ、ちょっと待って」
専務と私を見てすぐに状況を察したらしく、佐伯さんはワインを専用のクーラーバッグに入れてくれた。
「宮田さん、俺ね、こんなふうに余裕の無い成宮を見るのは初めてだよ。ものすごく好きなんだろうね」
佐伯さんが小さな声で私に囁く。
専務も佐伯さんと言葉を交わしてから、何かもうひとつ紙袋を受け取り、私たちはお店を後にした。
呼び鈴に手をかけようとした専務の腕を、そっとつかんで首を左右に振る。
「・・酔ってません。専務を・・独り占めしたくなっただけです」
専務は、私が以前言い放った言葉に引っ掛かっているはずだ。
『専務に『ダメか?』って聞かれて、断れる女性なんているんですか?』
専務の周りにいる女性たちのひとりになりたくなかった。
同じように扱われたくなかった。
特別な女性・・で、いたかったから。
たとえそれが、仕事上だけだとしても。
けれど、真っ直ぐに好きだと伝えてくれて、いま私だけを見ている専務に、私自身が抱かれたいと思ってしまったのだ。
「ダメ・・ですか?」
そう言った私から視線を外し、専務は大きく息を吐いた。
「自分が何を言ってるか、本当に分かってるのか?」
私は頷く。
「・・本当に、朝まで一緒にいても構わない?」
もう一度、頷いた。
「じゃあ、出よう」
専務はスパークリングワインのボトルを右手に持ち、私の手を左手に繋いでカウンターを出る。
「佐伯、これ持って帰る」
「ん? ああ、ちょっと待って」
専務と私を見てすぐに状況を察したらしく、佐伯さんはワインを専用のクーラーバッグに入れてくれた。
「宮田さん、俺ね、こんなふうに余裕の無い成宮を見るのは初めてだよ。ものすごく好きなんだろうね」
佐伯さんが小さな声で私に囁く。
専務も佐伯さんと言葉を交わしてから、何かもうひとつ紙袋を受け取り、私たちはお店を後にした。