僕の秘書に、極上の愛を捧げます
第2章
Side 翔子
「宮田、聞いたぞ。良かったじゃないか」
経営会議終わりの社長が、彼の役員室に入ってくる。
「良かった・・って、本当にそう思ってらっしゃいます? 面倒なことになったとお考えなのでは・・」
今はまだ彼とのお付き合いをオープンにしているわけではなく、社長にはタイミングを見計らって彼が話をしたのだと言っていた。
「そんなことは無いさ。俺は成宮のことも宮田のことも良く知ってるし、ふたりとも俺が信頼する人間だ。そんなふたりがプライベートでもお互いを必要とし合うなんて、こんないい話を喜ばずにいられないよ」
コンコンコン。
ノックの音と共に遠藤が入ってきた。
「澤崎(さわざき)社長、いらしてたんですね。ご無沙汰しております」
「ああ、遠藤くん。久しぶりだね。君のサポートぶりは成宮に聞いているよ。今後ともよろしく頼むよ」
「もちろんです。精一杯やらせていただきます」
「そうそう、サポートするのは成宮限りにしてくれよ。・・言っている意味、分かるよね?」
社長が遠藤に向かってそう言うと、遠藤の顔から笑顔が消えた。
社長は知っているのだ。
私と付き合っていた頃の遠藤のことも。
遠藤は社長が懇意にしているリサーチ会社のメンバーだったから、面識はあり、私の知らない遠藤の振る舞いさえも先方の上層部から聞いていたらしく、別れを告げられて落ち込んでいた私を随分気遣ってくれた。
今も、暗に牽制してくれたのだと思う。
「成宮専務次第・・ですよ。僕は宮田 翔子を諦めたつもりはないので」
「やめてください・・遠藤さん・・」
「あー社長、すみません遅くなって。あ、遠藤さん来てたんだ。宮田さん、社長によく冷えたアイスコーヒーを淹れてもらえるかな?」
重くなっていく空気を破るかのように、彼がタイミング良く役員室に戻ってきてくれて、私はホッとして小さく息を吐いた。
経営会議終わりの社長が、彼の役員室に入ってくる。
「良かった・・って、本当にそう思ってらっしゃいます? 面倒なことになったとお考えなのでは・・」
今はまだ彼とのお付き合いをオープンにしているわけではなく、社長にはタイミングを見計らって彼が話をしたのだと言っていた。
「そんなことは無いさ。俺は成宮のことも宮田のことも良く知ってるし、ふたりとも俺が信頼する人間だ。そんなふたりがプライベートでもお互いを必要とし合うなんて、こんないい話を喜ばずにいられないよ」
コンコンコン。
ノックの音と共に遠藤が入ってきた。
「澤崎(さわざき)社長、いらしてたんですね。ご無沙汰しております」
「ああ、遠藤くん。久しぶりだね。君のサポートぶりは成宮に聞いているよ。今後ともよろしく頼むよ」
「もちろんです。精一杯やらせていただきます」
「そうそう、サポートするのは成宮限りにしてくれよ。・・言っている意味、分かるよね?」
社長が遠藤に向かってそう言うと、遠藤の顔から笑顔が消えた。
社長は知っているのだ。
私と付き合っていた頃の遠藤のことも。
遠藤は社長が懇意にしているリサーチ会社のメンバーだったから、面識はあり、私の知らない遠藤の振る舞いさえも先方の上層部から聞いていたらしく、別れを告げられて落ち込んでいた私を随分気遣ってくれた。
今も、暗に牽制してくれたのだと思う。
「成宮専務次第・・ですよ。僕は宮田 翔子を諦めたつもりはないので」
「やめてください・・遠藤さん・・」
「あー社長、すみません遅くなって。あ、遠藤さん来てたんだ。宮田さん、社長によく冷えたアイスコーヒーを淹れてもらえるかな?」
重くなっていく空気を破るかのように、彼がタイミング良く役員室に戻ってきてくれて、私はホッとして小さく息を吐いた。