僕の秘書に、極上の愛を捧げます
ブブ・・ブブ・・ブブ・・。
彼女より先に役員室に戻る途中、ジャケットの内ポケットに入れているスマートフォンが震えた。
「はい」
『恭介? いま電話いいかしら、ちょっと・・』
「どうした、こんな朝早くから」
少し焦っているような理紗の声が聞こえる。
何かあったのだろうか。
『無理なお願いだって分かってる。でも、一緒に・・・・今夜、一緒にアメリカに帰ってほしい』
「は? 今夜ってどういうことだ。そもそも明日の夜に帰るんじゃなかったか?」
『その予定だったのだけど、向こうで父が倒れたと連絡があって・・。しばらく病院にいることになるらしいの。今までこんなこと無かったし、父のことも会社のことも心配で・・。だから、恭介に一緒に来てほしい・・。こんな時に頼れるのは、恭介しかいなくて・・・・』
理紗の切実な声に、幼馴染としての情が湧く。
俺たちは小学生の頃から家族ぐるみの付き合いがあり、親父が他界した時は俺はまだ高校生で、理紗の父親が手続き面でもいろいろとサポートしてくれた。
俺を一人前のビジネスマンに育ててくれたのも理紗の父親・・前職のCEOだ。
「・・分かった。社長に話してみるから、少し待てるか?」
『ありがとう。連絡、待ってる』
電話を切り、俺は社長室に向かった。
社長もちょうど出社したばかりのようで、まだジャケットを脱いでもいない。
「早いな。さては、例の美女と何かあったのか?」
揶揄うような表情でそう言った社長も、俺が頷くと笑顔を消した。
「何があった。いや・・その前に、ふたりの経緯を聞かせてもらえるか? 前川 理紗は、お前にとってどういう存在なんだ?」
理紗とのことを、かいつまんで社長に話す。
そして、いま起こっていること、何日かアメリカに行かせてほしいということを伝えた。
「出張扱いにしてやるから、向こうを少し回ってみるといい。新しい取引先のひとつでも開拓してこいよ」
社長は俺の肩をポンと叩き、外出の予定があるからと社長室を出て行った。
彼女より先に役員室に戻る途中、ジャケットの内ポケットに入れているスマートフォンが震えた。
「はい」
『恭介? いま電話いいかしら、ちょっと・・』
「どうした、こんな朝早くから」
少し焦っているような理紗の声が聞こえる。
何かあったのだろうか。
『無理なお願いだって分かってる。でも、一緒に・・・・今夜、一緒にアメリカに帰ってほしい』
「は? 今夜ってどういうことだ。そもそも明日の夜に帰るんじゃなかったか?」
『その予定だったのだけど、向こうで父が倒れたと連絡があって・・。しばらく病院にいることになるらしいの。今までこんなこと無かったし、父のことも会社のことも心配で・・。だから、恭介に一緒に来てほしい・・。こんな時に頼れるのは、恭介しかいなくて・・・・』
理紗の切実な声に、幼馴染としての情が湧く。
俺たちは小学生の頃から家族ぐるみの付き合いがあり、親父が他界した時は俺はまだ高校生で、理紗の父親が手続き面でもいろいろとサポートしてくれた。
俺を一人前のビジネスマンに育ててくれたのも理紗の父親・・前職のCEOだ。
「・・分かった。社長に話してみるから、少し待てるか?」
『ありがとう。連絡、待ってる』
電話を切り、俺は社長室に向かった。
社長もちょうど出社したばかりのようで、まだジャケットを脱いでもいない。
「早いな。さては、例の美女と何かあったのか?」
揶揄うような表情でそう言った社長も、俺が頷くと笑顔を消した。
「何があった。いや・・その前に、ふたりの経緯を聞かせてもらえるか? 前川 理紗は、お前にとってどういう存在なんだ?」
理紗とのことを、かいつまんで社長に話す。
そして、いま起こっていること、何日かアメリカに行かせてほしいということを伝えた。
「出張扱いにしてやるから、向こうを少し回ってみるといい。新しい取引先のひとつでも開拓してこいよ」
社長は俺の肩をポンと叩き、外出の予定があるからと社長室を出て行った。