僕の秘書に、極上の愛を捧げます
Side 翔子
秘書課の朝会が終わり、社長の第一秘書と来週の予定確認をしていると、彼が電話をしながら横の廊下を通り過ぎるのが見えた。
「あ・・そうだ宮田さん、専務どこか海外に行くんじゃないの?」
「えっ、どうしてですか?」
「ついさっき社長から、専務が出席する会議をいくつか調整してほしいと依頼があったんだよ。時差を考慮して組み直してもらいたい・・って。これから話すつもりだったのかもしれないから、もう役員室に戻ったほうがいいんじゃないか」
「そうですね。ありがとうございます」
役員室までの短い距離を歩きながら思った。
緊急で現地に行かなければならないようなビジネスの予定は無かったはず。
なぜ・・このタイミングで・・?
『理紗、大丈夫だ。俺が一緒に行くから』
役員室のドアを開けようと、ドアノブに手を掛けたところで彼の声が聞こえた。
え・・?
俺が一緒に行く・・?
ふたりで、行くの・・?
どうして・・?
私はその場に立ち尽くし、中に入ることができずにいた。
「あっ」
ドアが向こう側から開けられ、目の前に彼がいる。
「宮田さん、ごめん。詳しい説明は後からするから、今日の予定を全て明日以降に変更してオンライン会議にしてもらえるかな。11時の羽田発で、急遽ニューヨークに行くことになったんだ。今から帰って準備して、すぐに羽田に向かう」
「それは・・出張・・ですか? どなたかとご一緒に?」
「出張扱いではあるんだけど、誰かを連れていくわけじゃないんだ・・。ごめん、あまり時間が無いからもう行くよ。後で電話する」
「えっ、あのっ・・」
何も聞けないまま、私はひとり役員室に残された。
そう・・私はここに残されたのだ。
彼は、突然現れた別の女性と一緒にニューヨークに行く。
私ではない、別の女性と。
婚約者だと噂されている、その女性と。
「あ・・そうだ宮田さん、専務どこか海外に行くんじゃないの?」
「えっ、どうしてですか?」
「ついさっき社長から、専務が出席する会議をいくつか調整してほしいと依頼があったんだよ。時差を考慮して組み直してもらいたい・・って。これから話すつもりだったのかもしれないから、もう役員室に戻ったほうがいいんじゃないか」
「そうですね。ありがとうございます」
役員室までの短い距離を歩きながら思った。
緊急で現地に行かなければならないようなビジネスの予定は無かったはず。
なぜ・・このタイミングで・・?
『理紗、大丈夫だ。俺が一緒に行くから』
役員室のドアを開けようと、ドアノブに手を掛けたところで彼の声が聞こえた。
え・・?
俺が一緒に行く・・?
ふたりで、行くの・・?
どうして・・?
私はその場に立ち尽くし、中に入ることができずにいた。
「あっ」
ドアが向こう側から開けられ、目の前に彼がいる。
「宮田さん、ごめん。詳しい説明は後からするから、今日の予定を全て明日以降に変更してオンライン会議にしてもらえるかな。11時の羽田発で、急遽ニューヨークに行くことになったんだ。今から帰って準備して、すぐに羽田に向かう」
「それは・・出張・・ですか? どなたかとご一緒に?」
「出張扱いではあるんだけど、誰かを連れていくわけじゃないんだ・・。ごめん、あまり時間が無いからもう行くよ。後で電話する」
「えっ、あのっ・・」
何も聞けないまま、私はひとり役員室に残された。
そう・・私はここに残されたのだ。
彼は、突然現れた別の女性と一緒にニューヨークに行く。
私ではない、別の女性と。
婚約者だと噂されている、その女性と。