【完結】年の差十五の旦那様Ⅰ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~【コミカライズ原作】
「シェリル嬢。そんなに緊張しなくてもいい。……俺が、フォローするから」
「……ありがとう、ございます」
そんな私を見て、ギルバート様は私が緊張していると受け取られたのだろう。そんなことをおっしゃって、私と絡める腕に力を入れてくださった。……本当に、ギルバート様はお優しくて素敵な人。こんな人が、冷酷なんて言われるのはなぜなのだろうか。私のことを、こんなにも気遣ってくださるのに。
「おい、今あのご令嬢笑ったぞ……! 美しすぎる……!」
「だが、あの様子だとリスター辺境伯も気に入っていらっしゃるご様子。……あぁ、もっと早くに出逢えていれば……!」
私はギルバート様の気遣いが嬉しくて、そのことで頭がいっぱいだった。そのため、他の方々が私の「容姿」についてこそこそとお話していることに気が付かなくて。私は、ただにっこりと笑っていた。私が笑えば笑うほど、ギルバート様のお心を乱しているなんて、想像もせずに。