【完結】年の差十五の旦那様Ⅰ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~【コミカライズ原作】
「彼女は俺の婚約者……候補、だ。シェリル嬢。彼女はジェセニア・リオス。俺のいとこで、このリオス伯爵家の娘だ」
「初めまして、シェリル様。ジェセニアですわ」
ギルバート様のお言葉を引き継ぐように、そのご令嬢――ジェセニア様はそうおっしゃると、私ににこりと微笑みかけてくださった。その微笑みに見惚れながら、私はゆっくりと「シェリル・アシュフィールドです」と自己紹介をして軽く一礼をする。
「ねぇ、義兄様? 私、彼女と少しお話がしたいですわ。……義兄様は、お父様の元に行ったらいかが?」
「……おい、余計なことを話すつもりじゃないだろうな?」
「まさか。少しだけ、女同士でお話がしたいだけですわ。さぁ、シェリル様。行きましょう?」
「ちょ、ちょ――」
ジェセニア様は、その可憐な見た目に似合わず押しがかなり強いお方のようで。私の腕を引くと、ギルバート様からどんどん離れて行ってしまう。……私、こんなところでギルバート様と引き離されたらちょっと……どころかかなり困る。それに、その、ジェセニア様のことが少し怖い……というか。
(エリカのような苛烈さは見えないわ。けど、何を考えていらっしゃるかが全く分からない……!)
エリカはある意味とても分かりやすかった。喜怒哀楽をすぐに顔を出し、私のことを罵倒してくる。それは考えなしで浅はかとも受け取ることが出来る。しかし、一番厄介なのは……冷静に残酷に攻撃してくるお方だ。ジェセニア様は多分そう言うタイプ。
「さて、ここまで来れば義兄様には聞こえないわね。……ねぇ、シェリル様? 私、義兄様のことを尊敬しているわ。どれだけ冷酷と噂されても、決して人の良心を忘れない。どれだけ悪い噂を流されようとも、めげない。そんなところ、尊敬しているの」
「……はい」
「だから、是非とも義兄様を支えてあげて頂戴。私、貴女と義兄様のこと、応援するわ」
「……は、え?」
でも、ジェセニア様のお言葉は意外過ぎるもので。彼女はただ「こんなこと、義兄様に聞かれたら怒られてしまうわ」と言いながら、恥ずかしそうに頬を掻いていらっしゃった。そのお姿は、何処かギルバート様に重なる。……いとこというのは、どうやら本当らしい。
「初めまして、シェリル様。ジェセニアですわ」
ギルバート様のお言葉を引き継ぐように、そのご令嬢――ジェセニア様はそうおっしゃると、私ににこりと微笑みかけてくださった。その微笑みに見惚れながら、私はゆっくりと「シェリル・アシュフィールドです」と自己紹介をして軽く一礼をする。
「ねぇ、義兄様? 私、彼女と少しお話がしたいですわ。……義兄様は、お父様の元に行ったらいかが?」
「……おい、余計なことを話すつもりじゃないだろうな?」
「まさか。少しだけ、女同士でお話がしたいだけですわ。さぁ、シェリル様。行きましょう?」
「ちょ、ちょ――」
ジェセニア様は、その可憐な見た目に似合わず押しがかなり強いお方のようで。私の腕を引くと、ギルバート様からどんどん離れて行ってしまう。……私、こんなところでギルバート様と引き離されたらちょっと……どころかかなり困る。それに、その、ジェセニア様のことが少し怖い……というか。
(エリカのような苛烈さは見えないわ。けど、何を考えていらっしゃるかが全く分からない……!)
エリカはある意味とても分かりやすかった。喜怒哀楽をすぐに顔を出し、私のことを罵倒してくる。それは考えなしで浅はかとも受け取ることが出来る。しかし、一番厄介なのは……冷静に残酷に攻撃してくるお方だ。ジェセニア様は多分そう言うタイプ。
「さて、ここまで来れば義兄様には聞こえないわね。……ねぇ、シェリル様? 私、義兄様のことを尊敬しているわ。どれだけ冷酷と噂されても、決して人の良心を忘れない。どれだけ悪い噂を流されようとも、めげない。そんなところ、尊敬しているの」
「……はい」
「だから、是非とも義兄様を支えてあげて頂戴。私、貴女と義兄様のこと、応援するわ」
「……は、え?」
でも、ジェセニア様のお言葉は意外過ぎるもので。彼女はただ「こんなこと、義兄様に聞かれたら怒られてしまうわ」と言いながら、恥ずかしそうに頬を掻いていらっしゃった。そのお姿は、何処かギルバート様に重なる。……いとこというのは、どうやら本当らしい。