【完結】年の差十五の旦那様Ⅰ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~【コミカライズ原作】
「帰る場所のないシェリル嬢を追い出しても、俺が後悔するだけだ。……しばらく、ここで客として滞在すると言い。侍女としてクレアとマリンも付けよう。……ただ、妻としては迎えない」
「あ、ありがとうございます!」
そのお言葉に対して、私はただ勢いよく頭を下げてお礼を言うことしか出来なかった。まさか、滞在させてくださるなんて。……妻として迎えなくても、それでも構わない。……でも、侍女は必要ない。元々、実家でも一人だったし。
「ですが、侍女は必要ありません。私、大体のことは一人で出来ますので」
だから、私は満面の笑みでそう言った。そうすれば、ギルバート様は微妙な表情になれて、「……いや、付ける」とおっしゃって引いてくださらない。……何故、ここまで引いてくださらないのだろうか。
「クレア、マリン。シェリル嬢のことは頼んだぞ。……客人として、扱うように」
「はい」
「かしこまりました」
私がどれだけギルバート様に抗議をしても、ギルバート様は聞いてくださらない。ただ、クレアさんとマリンさんに声をかけるだけ。いや、私のお話を聞いてくださらない? そう思ってギルバート様に抗議の視線を送るけれど、ギルバート様は露骨に視線を逸らされるだけだった。
「では、俺は仕事に戻る。……生憎、まだ仕事が終わっていないんだ。二人とも、とりあえずシェリル嬢を客間に案内してやってくれ。……その後のことは、夕食時にでも相談しよう」
ギルバート様はそうおっしゃると、颯爽とお部屋を出て行ってしまわれた。いや、あの、私のお話を聞いてください……! そう、クレアさんとマリンさんに視線だけで訴えても、二人は「では、行きましょう!」というだけだった。……押しが、とても強かった。
「あ、ありがとうございます!」
そのお言葉に対して、私はただ勢いよく頭を下げてお礼を言うことしか出来なかった。まさか、滞在させてくださるなんて。……妻として迎えなくても、それでも構わない。……でも、侍女は必要ない。元々、実家でも一人だったし。
「ですが、侍女は必要ありません。私、大体のことは一人で出来ますので」
だから、私は満面の笑みでそう言った。そうすれば、ギルバート様は微妙な表情になれて、「……いや、付ける」とおっしゃって引いてくださらない。……何故、ここまで引いてくださらないのだろうか。
「クレア、マリン。シェリル嬢のことは頼んだぞ。……客人として、扱うように」
「はい」
「かしこまりました」
私がどれだけギルバート様に抗議をしても、ギルバート様は聞いてくださらない。ただ、クレアさんとマリンさんに声をかけるだけ。いや、私のお話を聞いてくださらない? そう思ってギルバート様に抗議の視線を送るけれど、ギルバート様は露骨に視線を逸らされるだけだった。
「では、俺は仕事に戻る。……生憎、まだ仕事が終わっていないんだ。二人とも、とりあえずシェリル嬢を客間に案内してやってくれ。……その後のことは、夕食時にでも相談しよう」
ギルバート様はそうおっしゃると、颯爽とお部屋を出て行ってしまわれた。いや、あの、私のお話を聞いてください……! そう、クレアさんとマリンさんに視線だけで訴えても、二人は「では、行きましょう!」というだけだった。……押しが、とても強かった。