【完結】年の差十五の旦那様Ⅰ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~【コミカライズ原作】
第40話 好きだから……
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「シェリル様。おはようございます~!」
「本日もとても良いお天気ですよ」

 リオス伯爵家でのパーティーから、数日が経った。それからの私の生活は、驚くほどの何も変わっていない。ただ、いつものようにリスター家で過ごさせてもらっているだけ。……あのパーティーの日に、私は自分の気持ちをギルバート様に伝えてしまった。けど、だからと言って何かが明確に変わったわけではない。

(ギルバート様が、どう思われたかが知りたいわ……)

 もしかしたら、ギルバート様は私の告白を「冗談」と受け取られたのかもしれない。そんなことはないと信じたいけれど、ここまで何も起こらないとそういうことさえも考えてしまう。……私じゃ、やっぱり妻は務まらないの、よね。こんな教養のない娘になんて、無理に決まっている。

「シェリル様?」
「い、いえ、何でもない、わ……」

 私がいろいろと考えてしまい、寝台から動けないでいると不意にクレアが私の名を呼んで顔を覗き込んでくる。なので、私は顔の前でひらひらと手を振って「なんでもない」という意思を伝える。きっと、失恋なんて大したことではないわ。……ちょっと、胸が痛むぐらいだろうし。そう思っていないと、やっていられなかった。
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