【完結】年の差十五の旦那様Ⅰ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~【コミカライズ原作】
「あぁ、そういえば、シェリル様。明日から、旦那様は少々お屋敷を離れることになりましたので……」
「……そうなの?」
「はい。とはいっても、二泊三日ですので、すぐに帰っていらっしゃいますよ。サイラスさんと一緒に、領地の様子をまた見てくるだけですので……」
にこにこと笑いながらそういうクレアに、私は微妙な気持ちになってしまった。正直に言えば、ギルバート様がお屋敷にいらっしゃらないのは寂しいと思ってしまう。だけど、ギルバート様はお仕事なのよね。ならば、私がどうこう言える立場じゃない。
「大丈夫ですよ、シェリル様。私たちがいますから!」
「それに、ほかの使用人たちも」
私の寂しいと思う気持ちを読み取ってくれたのか、クレアとマリンがそう言ってくれる。そのため、私は自然と笑顔になって「そうよね」ということが出来た。ここに来て、私は少し寂しがり屋になってしまったのかもしれない。……みんなが、私のことを愛してくれるから。私のことを、大切にしてくれるから。
「……ねぇ、クレア、マリン。……私、その、あの……」
「どうかなさいましたか?」
「わ、私、ギルバート様に……プレゼントを、お渡し、したい、の……」
みんなが愛してくれている。そう思ったからだろう、私の口からはずっと言うか迷っていた言葉が自然と出てきた。実は一週間ほど前から、ギルバート様にお渡ししたくてハンカチーフにウィリスローズのお花を刺繍していた。色はこのリスター家の色である紫色。……しかし、受け取ってもらえるかがわからなくて、未だにそれは私の手元にあった。きっと、ギルバート様のことだから無下にはされないと思う。でも、やっぱり怖かった。
「……そうなの?」
「はい。とはいっても、二泊三日ですので、すぐに帰っていらっしゃいますよ。サイラスさんと一緒に、領地の様子をまた見てくるだけですので……」
にこにこと笑いながらそういうクレアに、私は微妙な気持ちになってしまった。正直に言えば、ギルバート様がお屋敷にいらっしゃらないのは寂しいと思ってしまう。だけど、ギルバート様はお仕事なのよね。ならば、私がどうこう言える立場じゃない。
「大丈夫ですよ、シェリル様。私たちがいますから!」
「それに、ほかの使用人たちも」
私の寂しいと思う気持ちを読み取ってくれたのか、クレアとマリンがそう言ってくれる。そのため、私は自然と笑顔になって「そうよね」ということが出来た。ここに来て、私は少し寂しがり屋になってしまったのかもしれない。……みんなが、私のことを愛してくれるから。私のことを、大切にしてくれるから。
「……ねぇ、クレア、マリン。……私、その、あの……」
「どうかなさいましたか?」
「わ、私、ギルバート様に……プレゼントを、お渡し、したい、の……」
みんなが愛してくれている。そう思ったからだろう、私の口からはずっと言うか迷っていた言葉が自然と出てきた。実は一週間ほど前から、ギルバート様にお渡ししたくてハンカチーフにウィリスローズのお花を刺繍していた。色はこのリスター家の色である紫色。……しかし、受け取ってもらえるかがわからなくて、未だにそれは私の手元にあった。きっと、ギルバート様のことだから無下にはされないと思う。でも、やっぱり怖かった。