【完結】年の差十五の旦那様Ⅰ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~【コミカライズ原作】
第41話 プレゼントとお願い
「お待たせいたしました、ギルバート様」
食堂にたどり着いて、私は一番に癖になっていることを言う。そうすれば、ギルバート様はいつものように「気にしなくてもいい」とおっしゃって、手元にある手帳を閉じられた。……お仕事のこと、なのよね。私にはわからないことばかりのことを、ギルバート様はされていらっしゃる。だからこそ、私はこのお方の力になりたいと思ってしまう。
「では、朝食を運びますね」
サイラスさんがそう言うと、メイドたちが朝食を運んでくる。その光景は物理的には見慣れた光景だけれど、いつになっても心は慣れない。そのため、私が呆然とギルバート様を見つめていれば、ギルバート様はふと「……この間は、助かった」とおっしゃった。……この間。それは、いったいいつのことだろうか。
「シェリル嬢が土の魔力の枯渇に気が付いてくれたから、早めに手を打つことが出来た。民たちから、礼があったぞ」
「……い、いえ、私は……」
「その様子を、明日から見に行ってくるつもりだ。……本当はシェリル嬢のことも連れていきたいのだが……その、だな」
ギルバート様はそこでお言葉を止められる。それを見たサイラスさんが「はぁ」と露骨にため息をつくと、「危険のある場所に、連れていくことは出来ませんから」とギルバート様のお言葉を引き継いで言う。……そうか。ここは辺境の地だし、危険な地帯も多いわよね。
「領地でも、端の方には魔物が発生しております。そんな場所にシェリル様を連れていくことは、出来ません。ご理解いただけますと」
「……わかりました」
それならば、仕方がない。私がここで駄々をこねて「行きたい!」といったところでお荷物になるのは目に見えている。そもそも、そういうのはキャラじゃない。ならば、私が出来ることはこのお屋敷でギルバート様のお帰りを待つことだけ。
食堂にたどり着いて、私は一番に癖になっていることを言う。そうすれば、ギルバート様はいつものように「気にしなくてもいい」とおっしゃって、手元にある手帳を閉じられた。……お仕事のこと、なのよね。私にはわからないことばかりのことを、ギルバート様はされていらっしゃる。だからこそ、私はこのお方の力になりたいと思ってしまう。
「では、朝食を運びますね」
サイラスさんがそう言うと、メイドたちが朝食を運んでくる。その光景は物理的には見慣れた光景だけれど、いつになっても心は慣れない。そのため、私が呆然とギルバート様を見つめていれば、ギルバート様はふと「……この間は、助かった」とおっしゃった。……この間。それは、いったいいつのことだろうか。
「シェリル嬢が土の魔力の枯渇に気が付いてくれたから、早めに手を打つことが出来た。民たちから、礼があったぞ」
「……い、いえ、私は……」
「その様子を、明日から見に行ってくるつもりだ。……本当はシェリル嬢のことも連れていきたいのだが……その、だな」
ギルバート様はそこでお言葉を止められる。それを見たサイラスさんが「はぁ」と露骨にため息をつくと、「危険のある場所に、連れていくことは出来ませんから」とギルバート様のお言葉を引き継いで言う。……そうか。ここは辺境の地だし、危険な地帯も多いわよね。
「領地でも、端の方には魔物が発生しております。そんな場所にシェリル様を連れていくことは、出来ません。ご理解いただけますと」
「……わかりました」
それならば、仕方がない。私がここで駄々をこねて「行きたい!」といったところでお荷物になるのは目に見えている。そもそも、そういうのはキャラじゃない。ならば、私が出来ることはこのお屋敷でギルバート様のお帰りを待つことだけ。