【完結】年の差十五の旦那様Ⅰ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~【コミカライズ原作】
第45話 シェリルの膝蹴り
「シェリル様。もう、大丈夫ですよ」
サイラスさんとギルバート様の登場に、ただ驚き続ける私に、サイラスさんがそう声をかけてくれる。さらには、馬車の御者がクレアのことも助けてくれた。……それに、私はほっと一息をついた。……よかった、よかった。そう思って安心する私の手を、サイラスさんは握ってくれて。その後「……よく、耐えられましたね」とにっこりと笑って言ってくれた。
「……お前たちは何故、ここにいる」
「理由など簡単だ。……シェリル嬢が、教えてくれた」
「はぁ?」
ギルバート様はイライジャ様の手首を力いっぱい掴まれて、力強く睨まれていらっしゃった。その迫力は、とてもではないけれど大人でも怯んでしまいそうなもので。その光景を、私はどこか他人事のように見つめながら呆然としていた。……そもそも、私はギルバート様にピンチだということを教えてはいない。助けてとはつぶやいたけれど、それが聞こえていたとは到底思えないし、想像もできない。
「シェリル様。……先日、ハンカチーフを旦那様にプレゼントされましたよね?」
「……えぇ」
「その中に、シェリル様の魔力がこもっておりまして……そのおかげで、魔力暴走の予兆に気が付けました。なので、慌てて転移魔法で戻ってきた次第でございます」
「……そう、だったのね」
そういえば、魔力の高い人間は作るものに自然と魔力を込めることが出来るとかなんとか、聞いたことがある気がする。しかし、私は自らの魔力が戻っているとは想像もしていなかったため、そんなことに気が付きもしなかった。……けど、おかげで助かった、のよね。
サイラスさんとギルバート様の登場に、ただ驚き続ける私に、サイラスさんがそう声をかけてくれる。さらには、馬車の御者がクレアのことも助けてくれた。……それに、私はほっと一息をついた。……よかった、よかった。そう思って安心する私の手を、サイラスさんは握ってくれて。その後「……よく、耐えられましたね」とにっこりと笑って言ってくれた。
「……お前たちは何故、ここにいる」
「理由など簡単だ。……シェリル嬢が、教えてくれた」
「はぁ?」
ギルバート様はイライジャ様の手首を力いっぱい掴まれて、力強く睨まれていらっしゃった。その迫力は、とてもではないけれど大人でも怯んでしまいそうなもので。その光景を、私はどこか他人事のように見つめながら呆然としていた。……そもそも、私はギルバート様にピンチだということを教えてはいない。助けてとはつぶやいたけれど、それが聞こえていたとは到底思えないし、想像もできない。
「シェリル様。……先日、ハンカチーフを旦那様にプレゼントされましたよね?」
「……えぇ」
「その中に、シェリル様の魔力がこもっておりまして……そのおかげで、魔力暴走の予兆に気が付けました。なので、慌てて転移魔法で戻ってきた次第でございます」
「……そう、だったのね」
そういえば、魔力の高い人間は作るものに自然と魔力を込めることが出来るとかなんとか、聞いたことがある気がする。しかし、私は自らの魔力が戻っているとは想像もしていなかったため、そんなことに気が付きもしなかった。……けど、おかげで助かった、のよね。