【完結】年の差十五の旦那様Ⅰ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~【コミカライズ原作】
第46話 大好きなぬくもりと意外な知らせ
 ギルバート様は、その後私のことをぎゅうぎゅうと抱きしめてこられる。……その力は強くて、少し痛いけれど私は嬉しかった。……このお方に抱きしめられていると、なんだか安心できるのだ。だから、私も控えめにギルバート様の背中に腕を回した。

「ギルバート様……その、助けてくださり、ありがとう、ございました……!」
「……いや、最後のはシェリル嬢のお手柄だ」

 そうおっしゃったギルバート様の視線が、未だに気絶されているイライジャ様の方に向けられる。……イライジャ様は、どうやら気絶されたままリスター伯爵領の兵士たちに連行されていた。……なんだか、最後の最後で哀れに見えてしまうけれど、そもそもこうなった原因を作ったのは私……なのよね。反省……しないわね。

 そんなことを思っていると、使用人たちのことを思い出してハッとする。気絶させられているだけだと思うけれど、もう大丈夫……よね?

「サイラスさん」
「シェリル様。使用人たちはみな無事ですよ。……どうやら、ここら辺に結界を張っていたらしく、その所為で気絶させられていたようです」
「……そう。クレア、は」
「クレアもただ意識を失っているだけのようでした。今、先ほどの御者から連絡がありまして」

 サイラスさんのその言葉を聞いた後、どこかにやにやとしているサイラスさんの表情を見て、私は自分がギルバート様に抱きしめられたままだったことを思い出す。……これは、結構恥ずかしいわね。そう思ったら、一気にやってくる羞恥心。だから、私がギルバート様の腕の中から抜け出せば、ギルバート様はどこかしょぼくれたような表情をされた。……このお方、やっぱり不器用で可愛らしい人。
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