【完結】年の差十五の旦那様Ⅰ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~【コミカライズ原作】
「シェリルのことだし、使用人たちの次の職場を心配すると思ってな。……同情からとはいえ、シェリルの見方をしてくれていた人たちを、そのまま放り出すわけにはいかないだろう」
「……まぁ、そうですね」

 ……彼らは、今の私を見てどう思うだろうか。喜んでくれるだろうか? それとも、いろいろな意味で泣くだろうか? それは、分からない。それでも……まぁ、これが私たちの迎えた最高のハッピーエンドなのかな、なんて。

「シェリル。これからも、俺と一緒に幸せになってくれるか?」
「……もちろん、ですよ」

 それは、間違いない。私はこのお方のお側にいると決めた。このお方を一生をかけて支えると決めた。年の差故に絶対に好きにならないなんて思っていたけれど……結局、このお方の魅力に落ちてしまったのは私の方だったのか、なんて。

「……まぁ、俺の方が早くに死ぬだろうがな」
「ギルバート様。こういう時に、そういう不謹慎なことおっしゃらないでください」
「……そうだな」

 何故、幸せいっぱいの時にそんな死ぬとかおっしゃるのよ。そう思いながら、私がようやくギルバート様に視線を向ければ……ギルバート様は、ただ楽しそうに私のことを見つめて微笑んでくださった。そして――、

「シェリル。俺は、シェリルのことがこの世で一番大好きだ」

 と、おっしゃってくださった。……その所為で、私は「あぁ、幸せだなぁ」って思うことが出来た。

 きっと、この先もいろいろなことがあるけれど、それでも私はこのお方の側にいる。居続ける。嫌だって言っても、返品したいって言われても、いるつもりだから。覚悟しておいてほしいなぁ、と。

(ギルバート様と私の未来は、まだまだあるのだから)

 ……一緒に生きられる間は、ずっとずっと、一緒にいたい。

 そんなことを、私は強く認識した――……。

【第一部・End】
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