【完結】年の差十五の旦那様Ⅰ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~【コミカライズ原作】
 その後、マリンに着替えさせてもらい、食堂に向かう。昨日のように食堂に向かえば、そこではすでにギルバート様が待機されていた。ギルバート様は私の姿を見ると、「よく眠れたか?」と問いかけてくださる。なので、私は静かに「はい、おかげさまで」と端的に返す。

「そうか。だったら、良かった」

 ギルバート様がそうつぶやかれるとほぼ同時に、サイラスさんが昨日の椅子を引いて、私にそこに腰を下ろすようにと勧めてくる。……どうやら、あそこが私の席らしい。

 私がその椅子に腰を下ろせば、お料理が運ばれてくる。ギルバート様のメニューは、朝食として一般的な量……の倍。私がそれを茫然と見つめていれば、私の目の前にもお料理が運ばれてくる。スープとサラダ。それからパン。スープとサラダは昨日とほぼ同じだけれど、パンは何処か小ぶりであり、消化によさそうなものだった。

「シェリル嬢。食べられる分だけでも、食べてくれ」
「はい」

 ギルバート様のお言葉に、私はそう返事をして手を合わせた後、食事に手を付ける。味わいは昨日とほぼ同じ。食材も昨日とほぼ同じ。しかし、消化に良いものばかりだったので、胃は大丈夫なようだった。そこは、素直に感謝をした。

< 29 / 157 >

この作品をシェア

pagetop