【完結】年の差十五の旦那様Ⅰ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~【コミカライズ原作】
(街かぁ、なんだか楽しみ)
だから、柄にもなくはしゃいでしまう。もちろん、表情はいつも通り。はしゃぐのは心の中でだけ。でも、そんな些細な私の変化にもクレアとマリンにはお見通しなのか、二人は後ろから「楽しんできてくださいませ」と声をかけてくれる。……本当に、私たち以心伝心なのかもしれないわ。
それから玄関にたどり着けば、そこではリスター家の御者であろう青年が私を一瞥して、一礼をしてくれた。その側にはサイラスさんがいて、彼は私の装いを見て「尚更、お美しいですね!」と褒めてくれる。……確かに、美しいけれど、なんだか私じゃないみたいよ。
「こんなにもお美しいシェリル様を見れば、旦那様もきっとシェリル様を意識してくださいますよ……!」
「……そうだと、いいのだけれどね」
出来れば、意識などしないでほしい。そんな心の声を隠して、私は苦笑を浮かべる。それから数分後、ギルバート様がやってこられた。その服装は、普段よりもラフだけれど……なんだか、とても似合っていて。少し、かっこいいなぁって。
(って、私が意識をしてどうするのよ!)
そうよ、私が意識をしてはダメよ。そう思って首をブンブンと横に振れば、ギルバート様は「どうしたんだ?」と私に声をかけてくださった。そのため、私は目を細めて「何でも、ありませんわ」とだけ言う。
だから、柄にもなくはしゃいでしまう。もちろん、表情はいつも通り。はしゃぐのは心の中でだけ。でも、そんな些細な私の変化にもクレアとマリンにはお見通しなのか、二人は後ろから「楽しんできてくださいませ」と声をかけてくれる。……本当に、私たち以心伝心なのかもしれないわ。
それから玄関にたどり着けば、そこではリスター家の御者であろう青年が私を一瞥して、一礼をしてくれた。その側にはサイラスさんがいて、彼は私の装いを見て「尚更、お美しいですね!」と褒めてくれる。……確かに、美しいけれど、なんだか私じゃないみたいよ。
「こんなにもお美しいシェリル様を見れば、旦那様もきっとシェリル様を意識してくださいますよ……!」
「……そうだと、いいのだけれどね」
出来れば、意識などしないでほしい。そんな心の声を隠して、私は苦笑を浮かべる。それから数分後、ギルバート様がやってこられた。その服装は、普段よりもラフだけれど……なんだか、とても似合っていて。少し、かっこいいなぁって。
(って、私が意識をしてどうするのよ!)
そうよ、私が意識をしてはダメよ。そう思って首をブンブンと横に振れば、ギルバート様は「どうしたんだ?」と私に声をかけてくださった。そのため、私は目を細めて「何でも、ありませんわ」とだけ言う。