【完結】年の差十五の旦那様Ⅰ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~【コミカライズ原作】
第19話 ギルバートとシェリルのデート(?)(4)
「いらっしゃいま……は、伯爵様!」
「……今は、ただの客として来ている。だから、気は遣わなくていい」
それからギルバート様に連れてこられたのは、少し大きな外観のパン屋だった。看板には「リリア」と書いてあり、それがこのパン屋の名前なのだろう。パンが焼ける香ばしい香りが私の鼻腔に届き、私はやはりワクワクとした。こういうパン屋って、やっぱりオリジナルの商品とかを売っているのかしら?
「い、いえ、そう言うわけにもいきません……!」
店主さんが、ギルバート様にぺこぺこと頭を下げている。それを見てか、店内にいたお客さんまでもがざわめく。……うーん、やっぱりギルバート様ぐらいになると、領民に顔が知られているのね。むしろ、ここに来るまでバレなかったのが奇跡に近いのだろう。
「本当にいい。……それに、今回は俺の婚約者……シェリル嬢の希望で、パンを買いに来ただけだからな」
「えぇっと、婚約者様、ですか……?」
店主さんは、私に怪訝そうな視線を向けてくるので、私はとりあえずぺこりと頭を下げておいた。……さすがに、年が離れすぎているからいろいろと思われることもあるわよね。
「お、お言葉ですが、いったい何人目の……?」
しかし、店主さんのその言葉に私は「あ、そっち」と思った。ギルバート様の別名は「冷酷な辺境伯」とかそういうもの。婚約者が一ヶ月も持たずに逃げ出すと有名だし。……実際は、ただ不器用なお方なのにね。
「余計なお世話だ。五人を過ぎたあたりから、数えるのは止めたしな。……シェリル嬢。俺は店主と話しているから、好きなものを選んでくればいい」
「は、はぁ」
ギルバート様は気まずそうに視線を逸らされると、私の背を押してくださる。なので、私は店員さんに連れられていろいろなパンを見て回ることにした。……シンプルなどこにでもあるパンから、オリジナルのパンまで。いろいろなパンが店内に並べられている中、私の目を引いたのはサンドイッチだった。
「……今は、ただの客として来ている。だから、気は遣わなくていい」
それからギルバート様に連れてこられたのは、少し大きな外観のパン屋だった。看板には「リリア」と書いてあり、それがこのパン屋の名前なのだろう。パンが焼ける香ばしい香りが私の鼻腔に届き、私はやはりワクワクとした。こういうパン屋って、やっぱりオリジナルの商品とかを売っているのかしら?
「い、いえ、そう言うわけにもいきません……!」
店主さんが、ギルバート様にぺこぺこと頭を下げている。それを見てか、店内にいたお客さんまでもがざわめく。……うーん、やっぱりギルバート様ぐらいになると、領民に顔が知られているのね。むしろ、ここに来るまでバレなかったのが奇跡に近いのだろう。
「本当にいい。……それに、今回は俺の婚約者……シェリル嬢の希望で、パンを買いに来ただけだからな」
「えぇっと、婚約者様、ですか……?」
店主さんは、私に怪訝そうな視線を向けてくるので、私はとりあえずぺこりと頭を下げておいた。……さすがに、年が離れすぎているからいろいろと思われることもあるわよね。
「お、お言葉ですが、いったい何人目の……?」
しかし、店主さんのその言葉に私は「あ、そっち」と思った。ギルバート様の別名は「冷酷な辺境伯」とかそういうもの。婚約者が一ヶ月も持たずに逃げ出すと有名だし。……実際は、ただ不器用なお方なのにね。
「余計なお世話だ。五人を過ぎたあたりから、数えるのは止めたしな。……シェリル嬢。俺は店主と話しているから、好きなものを選んでくればいい」
「は、はぁ」
ギルバート様は気まずそうに視線を逸らされると、私の背を押してくださる。なので、私は店員さんに連れられていろいろなパンを見て回ることにした。……シンプルなどこにでもあるパンから、オリジナルのパンまで。いろいろなパンが店内に並べられている中、私の目を引いたのはサンドイッチだった。