【完結】年の差十五の旦那様Ⅰ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~【コミカライズ原作】
(私、ピクニックとかもしたことがないのよね……)
だからだろうか、そう言う外でご飯を食べることに人一倍憧れがある。高位貴族だって、屋敷の庭でピクニックをしたりするというのだもの。……それさえ、私はさせてもらえなかったし。
「あ、あの、ギルバート様?」
「どうした、シェリル嬢」
「こ、このまま……広場で、サンドイッチを食べてもいいでしょうか?」
「……はぁ!?」
私の言葉を聞いて、ギルバート様は露骨に声を上げられる。……やっぱり、ダメか。先ほど通った広場が、飲食にピッタリだと思ったのだけれど……。
そんなことを思いながら、私が露骨にしょぼくれていると、店主さんが気を遣ってくださったのか「婚約者様のお願いを、叶えて差し上げればいいではありませんか!」と後押ししてくれた。
「何でしたら、ピクニックのセットも貸しますが……?」
「い、いや、それは別に必要ない。シェリル嬢、ベンチで食べるだけならば、俺はそれでいいが……」
「そうですか、ありがとうございます!」
それでも、全然構わない。そう思って私が紙袋を抱きしめてふんわりと笑えば、ギルバート様は露骨に視線を逸らされてしまった。……それを見た店主さんが「……若い奥様が、出来るのですね」なんて呟いて、ギルバート様に足蹴りを食らっていたのは、しっかりと私の視界にも入った。
(でも、何故ギルバート様は私のことを婚約者だと紹介したのかしら……?)
ギルバート様は、大の女性嫌い。私のことも、居候だと紹介してくださればよかったのに。私がそう思っていると、ギルバート様は「行くぞ、シェリル嬢」とおっしゃると、私の手首を掴まれてそのまま歩き出された。……あれ? 何故、私は触れられているの?
(なんだか、ちょっと意味が分からなくなってきたわ……)
心の奥底でそう思いながら、私はギルバート様に手を引かれていた。
だからだろうか、そう言う外でご飯を食べることに人一倍憧れがある。高位貴族だって、屋敷の庭でピクニックをしたりするというのだもの。……それさえ、私はさせてもらえなかったし。
「あ、あの、ギルバート様?」
「どうした、シェリル嬢」
「こ、このまま……広場で、サンドイッチを食べてもいいでしょうか?」
「……はぁ!?」
私の言葉を聞いて、ギルバート様は露骨に声を上げられる。……やっぱり、ダメか。先ほど通った広場が、飲食にピッタリだと思ったのだけれど……。
そんなことを思いながら、私が露骨にしょぼくれていると、店主さんが気を遣ってくださったのか「婚約者様のお願いを、叶えて差し上げればいいではありませんか!」と後押ししてくれた。
「何でしたら、ピクニックのセットも貸しますが……?」
「い、いや、それは別に必要ない。シェリル嬢、ベンチで食べるだけならば、俺はそれでいいが……」
「そうですか、ありがとうございます!」
それでも、全然構わない。そう思って私が紙袋を抱きしめてふんわりと笑えば、ギルバート様は露骨に視線を逸らされてしまった。……それを見た店主さんが「……若い奥様が、出来るのですね」なんて呟いて、ギルバート様に足蹴りを食らっていたのは、しっかりと私の視界にも入った。
(でも、何故ギルバート様は私のことを婚約者だと紹介したのかしら……?)
ギルバート様は、大の女性嫌い。私のことも、居候だと紹介してくださればよかったのに。私がそう思っていると、ギルバート様は「行くぞ、シェリル嬢」とおっしゃると、私の手首を掴まれてそのまま歩き出された。……あれ? 何故、私は触れられているの?
(なんだか、ちょっと意味が分からなくなってきたわ……)
心の奥底でそう思いながら、私はギルバート様に手を引かれていた。