【完結】年の差十五の旦那様Ⅰ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~【コミカライズ原作】
「サイラスに言われた。……俺の言い訳は、シェリル嬢も使えるものだと。だが、シェリル嬢はそんな言い訳を使っていない。……そんなシェリル嬢を見ているとな、俺もこのままじゃダメだって思ったんだ」
「……そう、なのですね」
……私が、ギルバート様を変えたということなのだろうか? だけど……ううん、そう言うのはあまり好ましくないわよね。謙遜も時には必要だけれど、行き過ぎた謙遜は嫌味になってしまう。褒め言葉は、素直に受け取るべき……なのよね。
「褒めて、くださっているのですよね?」
「あぁ、もちろん」
また空を見上げられたギルバート様は、私の言葉にそう返してくださった。……褒められた、のか。なんだか、やっぱり褒められるのって嬉しいかも。この年齢になって、ようやくそれに気が付けた気がするわ。……ここに来て、良かった。たとえ、いずれは出て行かなくてはならなくても。
「……シェリル嬢。俺、考えたんだ。……シェリル嬢さえ、よかったら――」
「――あっ!」
ギルバート様が、何かをおっしゃろうとした時、不意に強い風が吹いた。そして、私のつばの広い帽子をかっさらっていく。……クレアとマリンが、せっかく用意してくれたのだから無くしたりしたくない。その一心で、私はひたすら手を伸ばした。
「……そう、なのですね」
……私が、ギルバート様を変えたということなのだろうか? だけど……ううん、そう言うのはあまり好ましくないわよね。謙遜も時には必要だけれど、行き過ぎた謙遜は嫌味になってしまう。褒め言葉は、素直に受け取るべき……なのよね。
「褒めて、くださっているのですよね?」
「あぁ、もちろん」
また空を見上げられたギルバート様は、私の言葉にそう返してくださった。……褒められた、のか。なんだか、やっぱり褒められるのって嬉しいかも。この年齢になって、ようやくそれに気が付けた気がするわ。……ここに来て、良かった。たとえ、いずれは出て行かなくてはならなくても。
「……シェリル嬢。俺、考えたんだ。……シェリル嬢さえ、よかったら――」
「――あっ!」
ギルバート様が、何かをおっしゃろうとした時、不意に強い風が吹いた。そして、私のつばの広い帽子をかっさらっていく。……クレアとマリンが、せっかく用意してくれたのだから無くしたりしたくない。その一心で、私はひたすら手を伸ばした。