【完結】年の差十五の旦那様Ⅰ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~【コミカライズ原作】
第23話 ギルバートとシェリルのデート(?)(8)
「ふわぁ……」
ゆっくりと走る馬車が、私の眠気を誘う。その眠気に抗おうとするものの、私は欠伸を噛み殺すことも出来ず、大きな欠伸をしてしまった。
時間は午後五時。カリーさんのお話を一通り聞き終え、状況も見られたギルバート様は支援の方針を固められたそうだ。早速、帰って手配をされるとおっしゃっていた。……私は少しは役に立ったみたいで。それが、嬉しかった。
「シェリル嬢。眠いのか?」
そんな私を見られたギルバート様は、そう問いかけてこられる。なので、私は「外出になれなくて、疲れてしまいまして……」と当たり障りのない理由を話す。ギルバート様は、私が今まで実家でどんな扱いを受けていたかを、それとなく知っていらっしゃる。だから、外出が疲れるという意味も理解してくださっているはずだ。
「……そうか。屋敷に着いたら起こしてやるから、今は眠っても良いぞ」
「で、ですが……」
「いや、今日はシェリル嬢のおかげで助かったからな」
そうおっしゃったギルバート様は、私から露骨に視線を逸らされる。私はそれを指摘するでもなく「おやすみなさいませ」とだけ小さく告げた。そうすれば、ギルバート様が「あぁ、お休み」と返してくださる。その心地の良いトーンのお声を聞いて、私はゆっくりと目を瞑った。
ゆっくりと走る馬車が、私の眠気を誘う。その眠気に抗おうとするものの、私は欠伸を噛み殺すことも出来ず、大きな欠伸をしてしまった。
時間は午後五時。カリーさんのお話を一通り聞き終え、状況も見られたギルバート様は支援の方針を固められたそうだ。早速、帰って手配をされるとおっしゃっていた。……私は少しは役に立ったみたいで。それが、嬉しかった。
「シェリル嬢。眠いのか?」
そんな私を見られたギルバート様は、そう問いかけてこられる。なので、私は「外出になれなくて、疲れてしまいまして……」と当たり障りのない理由を話す。ギルバート様は、私が今まで実家でどんな扱いを受けていたかを、それとなく知っていらっしゃる。だから、外出が疲れるという意味も理解してくださっているはずだ。
「……そうか。屋敷に着いたら起こしてやるから、今は眠っても良いぞ」
「で、ですが……」
「いや、今日はシェリル嬢のおかげで助かったからな」
そうおっしゃったギルバート様は、私から露骨に視線を逸らされる。私はそれを指摘するでもなく「おやすみなさいませ」とだけ小さく告げた。そうすれば、ギルバート様が「あぁ、お休み」と返してくださる。その心地の良いトーンのお声を聞いて、私はゆっくりと目を瞑った。