【完結】年の差十五の旦那様Ⅰ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~【コミカライズ原作】
「……そうか」
私の回答を聞かれて、ギルバート様はただ淡々とそうおっしゃった。……こういう反応をされるということは、やはり先ほどの言葉は幻聴だったのだろうな。だって、喜びも悲しみもされていないもの。普通、好きな人のタイプを聞いたら、もっと露骨に反応するものでしょう?
「私の、好みのタイプなんて聞かれても、面白くないでしょう……?」
毛布の上で手をぎゅっと握って、私はそんなことをぼやいて天井を見上げた。……もうそろそろ、ギルバート様とお話を始めて十分ぐらい経つだろうか。そうだとすれば、もうじきギルバート様はお仕事に戻られてしまうのよね……。はぁ、なんだか寂しい。
(あれ? そう思うということは、私はやっぱりギルバート様のことが好きなの……?)
一瞬そう思ったけれど、これもそれも全て身体が弱っているからそう思っているのだろう。実際、元気になればこんなことを思うことはなくなる……はず。そうよ、そうに決まっているわ。私は、また強く自分にそう言い聞かせた。
「シェリル嬢、悪いが、俺はそろそろ仕事に戻らなくちゃいけない。……また、時折来るから」
「……はぃ」
ギルバート様の大きな手のひらが、私の頭を軽く撫でられる。初めは、私に触れることさえ嫌悪されていたギルバート様。そんなギルバート様が、最近では少し躊躇いながら私に触れてこられる。なんだか、成長したのかな。そう思ったら、くすっと笑ってしまいそうになる。
「ただ、一つだけ言っておくと、俺はシェリル嬢の好みのタイプが知れて、良かったと思っている。……なぜだろうな。こんな風に、女性に興味が湧いたのはいつ以来だろうか」
「ぎ、ギルバート様……?」
何故、私の顔を覗きこまれてそんなことをおっしゃるの? そう問いかけようとしたけれど、ギルバート様の視線と私の視線は交わらない。どうやら、ギルバート様自身もかなり照れていらっしゃるようで。……やっぱり、この人は不器用なのだろうな。そして、とても可愛らしい。
私の回答を聞かれて、ギルバート様はただ淡々とそうおっしゃった。……こういう反応をされるということは、やはり先ほどの言葉は幻聴だったのだろうな。だって、喜びも悲しみもされていないもの。普通、好きな人のタイプを聞いたら、もっと露骨に反応するものでしょう?
「私の、好みのタイプなんて聞かれても、面白くないでしょう……?」
毛布の上で手をぎゅっと握って、私はそんなことをぼやいて天井を見上げた。……もうそろそろ、ギルバート様とお話を始めて十分ぐらい経つだろうか。そうだとすれば、もうじきギルバート様はお仕事に戻られてしまうのよね……。はぁ、なんだか寂しい。
(あれ? そう思うということは、私はやっぱりギルバート様のことが好きなの……?)
一瞬そう思ったけれど、これもそれも全て身体が弱っているからそう思っているのだろう。実際、元気になればこんなことを思うことはなくなる……はず。そうよ、そうに決まっているわ。私は、また強く自分にそう言い聞かせた。
「シェリル嬢、悪いが、俺はそろそろ仕事に戻らなくちゃいけない。……また、時折来るから」
「……はぃ」
ギルバート様の大きな手のひらが、私の頭を軽く撫でられる。初めは、私に触れることさえ嫌悪されていたギルバート様。そんなギルバート様が、最近では少し躊躇いながら私に触れてこられる。なんだか、成長したのかな。そう思ったら、くすっと笑ってしまいそうになる。
「ただ、一つだけ言っておくと、俺はシェリル嬢の好みのタイプが知れて、良かったと思っている。……なぜだろうな。こんな風に、女性に興味が湧いたのはいつ以来だろうか」
「ぎ、ギルバート様……?」
何故、私の顔を覗きこまれてそんなことをおっしゃるの? そう問いかけようとしたけれど、ギルバート様の視線と私の視線は交わらない。どうやら、ギルバート様自身もかなり照れていらっしゃるようで。……やっぱり、この人は不器用なのだろうな。そして、とても可愛らしい。