君はまだ甘い!
思いもよらない、しかも唐突過ぎるその誘いに虚を衝かれ、スマホを落としそうになった。
読み進めると、大学時代のトオルのチームメイトが奈良でミニバスのコーチをしており、明日行うイベントに頼まれて参加するから、とのこと。
『せっかく近畿まで行くのでマヤさんに会いたいです』
「会いたい」という言葉の響きに心臓が高鳴る。
しかし、メッセージの最後に『良かったら、娘さんもご一緒にご飯でも』と添えられているのを見て、微かに抱いた期待を瞬時に頭から消し去った。
メッセージを少し上にスクロールすると、グリコの看板を背景に二人で撮った写真が現れる。
この二か月、何度も見返している、イケメン青年の隣で、ぎこちない笑顔で寄り添っている、見るからに四十路の自分。
(どう見てもカップルには見えないな…)
またひとつため息をついて、画面を閉じた。
翌日、トオルは午前中に車で奈良に到着し、午後からのイベントに参加した後、夕方大阪にやって来た。
二か月ぶりに見たトオルは、相変わらずキラキラ眩しくて、笑顔で駆け寄ってくるその姿をマヤはまるでスクリーンで鑑賞しているかのようにぼんやり見つめていた。
トオルはお好み焼きを食べたいと言うので、マヤがよく行く老舗のお好み焼き屋にユカと三人で訪れた。
事前にユカにトオルのことを伝えた際、人見知りが激しい彼女のことだから断るだろうと踏んでいたが、母のオンラインゲーム仲間という稀有な関係性に興味をそそられたらしく、珍しく二つ返事で承諾した。
読み進めると、大学時代のトオルのチームメイトが奈良でミニバスのコーチをしており、明日行うイベントに頼まれて参加するから、とのこと。
『せっかく近畿まで行くのでマヤさんに会いたいです』
「会いたい」という言葉の響きに心臓が高鳴る。
しかし、メッセージの最後に『良かったら、娘さんもご一緒にご飯でも』と添えられているのを見て、微かに抱いた期待を瞬時に頭から消し去った。
メッセージを少し上にスクロールすると、グリコの看板を背景に二人で撮った写真が現れる。
この二か月、何度も見返している、イケメン青年の隣で、ぎこちない笑顔で寄り添っている、見るからに四十路の自分。
(どう見てもカップルには見えないな…)
またひとつため息をついて、画面を閉じた。
翌日、トオルは午前中に車で奈良に到着し、午後からのイベントに参加した後、夕方大阪にやって来た。
二か月ぶりに見たトオルは、相変わらずキラキラ眩しくて、笑顔で駆け寄ってくるその姿をマヤはまるでスクリーンで鑑賞しているかのようにぼんやり見つめていた。
トオルはお好み焼きを食べたいと言うので、マヤがよく行く老舗のお好み焼き屋にユカと三人で訪れた。
事前にユカにトオルのことを伝えた際、人見知りが激しい彼女のことだから断るだろうと踏んでいたが、母のオンラインゲーム仲間という稀有な関係性に興味をそそられたらしく、珍しく二つ返事で承諾した。