運命の再会!初恋は突然に!
第13話「うん! じゃあ俺も颯真君へのアプローチ方法を考える。男子ルートで情報収集をしてみるよ」
私の『話』を聞き終わり、海斗君は笑顔で頷いた。
「成る程、話はだいたい、分かったよ、なあ、遥」
「うん、海斗」
「ええっと……凛ちゃん。今の話を聞いて、俺が感じた事を言って良いかい?」
と、海斗君が尋ねて来た。
……何か思うところがあるようだ。
対して私は、
「構いません! ぜひぜひお願いします!」
遥も、
「ええ、海斗。お願い!」
という事で、私と遥は海斗君の話を聞く事に……
「まずは、ひと通り、話すよ。ふたりとも悪いけど、質問とかは、後にしてくれ」
いつもは熱血な海斗君も、まじめモードになると、
颯真君に、勝るとも劣らないクールガイ、そしてクレバーとなる。
彼の言う通り、黙って話を聞こう。
そう、決めた。
遥も同じ思いのようだ。
私たちが了解したと判断し、海斗君は話し始める。
「俺はさ、颯真君と話した事もないし、さっき学食で見かけただけなんだけど……」
「………………」
「……俺の勘、ファーストインプレッション、第一印象では、颯真君……単なるイケメンじゃなく、結構、良い奴だと思うよ」
「………………」
「なぜなら颯真君……ってさ、転入して来て、初めての学校、初めてのクラスメートと、上手くやろうと思っているって感じたんだよ」
「………………」
「先ほど、学食で大勢の女子と数人の男子とも、皆に凄く気をつかっていたもの。俺が見る限り全員にわけへだてなく、接していた。おごりたかぶる尊大な態度はなかった」
うわ!
海斗君、しっかり見てる。
さすがというか、凄いのひと言。
「………………」
「颯真君の考え方が、10年ぶりの再会を果たした凛ちゃんにも同じだとしたら、凛ちゃんにかけた優しい言葉の数々も、単なる社交辞令という可能性もある」
海斗君はズバリ言い切った。
優しい言葉の数々も、単なる社交辞令!?
がーん!
という擬音が鳴るくらいに大ショック!
颯真君の言葉は、私を喜ばせる為だけに、口先で軽く言った言葉?
ま、まさか!
「ええええっ? そ、颯真君の!! こ、言葉が!? し、しゃ、社交辞令!? そ、そんなあ!!」
ショック!
大ショック!!
身体が震え、どきどきする。
戸惑い、動揺する私。
一方、しかめっ面の遥は腕組みをし、
「言い過ぎだぞ!」というように、ぎっ!と海斗君をにらむ。
「こらあ! 海斗ぉ!」
「まあまあ……ふたりとも深呼吸でもして、落ちついて。とりあえず、俺の話を聞いてくれよ」
海斗君がとりなし、私と遥は気持ちをしずめた。
「………………」
ふうと軽く息を吐き、海斗君は話を続ける。
「俺が見る限り、颯真君は良い奴だと思うけど、凛ちゃんは、自分の本当の気持ちを、改めて確かめる事が必要だと思う」
え?
私の……本当の気持ちを改めて確かめるって?
「………………」
海斗君は、そんな私の気持ちを見抜いたかのように言う。
「う~ん……たとえば……そうだな」
「………………」
「一度も会った事もない推しのタレントさんを、自分の中で一方的に理想の相手として美化してしまう……」
「………………」
「10年間の長い月日が、離れていたふたりを、そうしている可能性はゼロとは言えないだろう?」
「………………」
「だから、凛ちゃんと颯真君が、ふたりでじっくりと話して、仲を深め、互いの気持ちを確かめて合ってから、恋に踏み出すのが、一番ベストだと俺は思う……あくまで俺の個人的な意見だけど、……以上だ」
海斗君の話が終わった。
遥も軽くふうと息を吐く。
「海斗……ありがとう」
「おお、どういたしまして。まずはこんなところだな」
「それで、海斗の話は終わり?」
「ああ、とりあえずはな」
「じゃあ、意見は一応一致している。4人とも」
遥の言葉を聞き、海斗君が驚く。
「え? 遥。 何、4人って? この3人じゃなく?」
「うん! 4人! 実はね、後々の事も考えて、彩乃ママにも味方になって貰ってるんだ」
遥と海斗君は休日一緒に、わが家へ遊びに来た事がある。
お父さんとお母さんに会って、話して意気投合した。
「ああ、凛ちゃんのお母さんの彩乃ママさんか! 成る程な! 娘ひとすじの健太パパさんの対策も考えなくちゃいけないもんなあ……」
海斗君がこういうのは、理由がある。
その時、お父さんが、私と同じくらい可愛がってる遥の事を、
「遥ちゃんを、絶対大事にしてくれよ! 約束してくれ!」
と、何度も海斗君へ、実の父親のように、頼んでいたのだ。
恐縮する海斗君が止めなければ、お父さんは頭も下げていたかもしれない。
少しだけ呆れた……
いくら私の親友とはいえ、他人の娘なのに……凄く入れ込んじゃって。
どうやら、遥に、私をだぶらせたみたい……
と、お母さんは苦笑して言っていたけど。
さてさて!
海斗君の言葉を聞き、遥も同意。
「うん! 海斗! その通り! でさ! 凛と颯真君が、ふたりでじっくりと話して、互いの気持ちを確かめてから、恋に踏み出すのが、ベストだって、私たち、3人全員で思ってるの」
「ああ、そうだったんだ」
「うん、海斗も同じ意見だから、すっごく安心した。でもさ」
「でも?」
「うん、ここで話がストップしてるの」
「ストップ?」
「ええ、さっき凛が話した通り、休み時間も、授業中も、それ以外の時間でも、颯真君と、コミュニケーションがほとんど取れない。唯一、凛があいさつした時、颯真君が、あいさつを返してくれるくらいなの」
遥の話を聞き、海斗君は渋い顔だ。
「そうか……停滞してるって事か」
「うん! 完全に停滞してる。それでベストなアプローチ方法を考え出すまで、『自分磨き』をして、スペック上げするように彩乃ママから言われて、私も一緒にやる事になったのよ」
「自分磨き? 遥も一緒にやるのか?」
「うん! 私も良い事だと思って、もう一緒にやってる! 凛が自分の魅力を高めるようにって言われて始めたのよ」
「へえ! 面白そうだな。具体的に何をするんだい?」
「うん、彩乃ママがね、言ったわ。……例えば、素敵な笑顔を見せられるようにする! 丁寧な言葉を使う! あいさつをしっかりする! ありがとう、ごめんなさい、をちゃんと言う! 話し上手よりも、聞き上手になる! ポジティブ思考を持つ! とかね!」
「おお、いちいち納得する。それそのまま男子にもあてはまるな」
「でしょ? 外見も磨けって、言ってたよ」
「外見?」
「うんっ! まず清潔感を持つのが大事。肌、髪、爪、は特にキレイに! メイクはナチュラルで魅せる! ファッションは白か、パステルカラーの服を着る! とかね!」
「おお、まず清潔感か! ファッションだけは好みの問題だから、それ以外は、おおむね同意だ。俺も自分磨きをやってみよう」
ええっと……
お~い、もしもし?
ふたりとも、なんか、話がそれてますよぉ!
と、心の中で叫んだ私に、
「うん! じゃあ俺も颯真君へのアプローチ方法を考える。男子ルートで情報収集をしてみるよ」
と笑顔の海斗君は、改めて協力を約束。
「うん! 海斗、宜しくね!」
と、遥も念を押してくれたのである。
「成る程、話はだいたい、分かったよ、なあ、遥」
「うん、海斗」
「ええっと……凛ちゃん。今の話を聞いて、俺が感じた事を言って良いかい?」
と、海斗君が尋ねて来た。
……何か思うところがあるようだ。
対して私は、
「構いません! ぜひぜひお願いします!」
遥も、
「ええ、海斗。お願い!」
という事で、私と遥は海斗君の話を聞く事に……
「まずは、ひと通り、話すよ。ふたりとも悪いけど、質問とかは、後にしてくれ」
いつもは熱血な海斗君も、まじめモードになると、
颯真君に、勝るとも劣らないクールガイ、そしてクレバーとなる。
彼の言う通り、黙って話を聞こう。
そう、決めた。
遥も同じ思いのようだ。
私たちが了解したと判断し、海斗君は話し始める。
「俺はさ、颯真君と話した事もないし、さっき学食で見かけただけなんだけど……」
「………………」
「……俺の勘、ファーストインプレッション、第一印象では、颯真君……単なるイケメンじゃなく、結構、良い奴だと思うよ」
「………………」
「なぜなら颯真君……ってさ、転入して来て、初めての学校、初めてのクラスメートと、上手くやろうと思っているって感じたんだよ」
「………………」
「先ほど、学食で大勢の女子と数人の男子とも、皆に凄く気をつかっていたもの。俺が見る限り全員にわけへだてなく、接していた。おごりたかぶる尊大な態度はなかった」
うわ!
海斗君、しっかり見てる。
さすがというか、凄いのひと言。
「………………」
「颯真君の考え方が、10年ぶりの再会を果たした凛ちゃんにも同じだとしたら、凛ちゃんにかけた優しい言葉の数々も、単なる社交辞令という可能性もある」
海斗君はズバリ言い切った。
優しい言葉の数々も、単なる社交辞令!?
がーん!
という擬音が鳴るくらいに大ショック!
颯真君の言葉は、私を喜ばせる為だけに、口先で軽く言った言葉?
ま、まさか!
「ええええっ? そ、颯真君の!! こ、言葉が!? し、しゃ、社交辞令!? そ、そんなあ!!」
ショック!
大ショック!!
身体が震え、どきどきする。
戸惑い、動揺する私。
一方、しかめっ面の遥は腕組みをし、
「言い過ぎだぞ!」というように、ぎっ!と海斗君をにらむ。
「こらあ! 海斗ぉ!」
「まあまあ……ふたりとも深呼吸でもして、落ちついて。とりあえず、俺の話を聞いてくれよ」
海斗君がとりなし、私と遥は気持ちをしずめた。
「………………」
ふうと軽く息を吐き、海斗君は話を続ける。
「俺が見る限り、颯真君は良い奴だと思うけど、凛ちゃんは、自分の本当の気持ちを、改めて確かめる事が必要だと思う」
え?
私の……本当の気持ちを改めて確かめるって?
「………………」
海斗君は、そんな私の気持ちを見抜いたかのように言う。
「う~ん……たとえば……そうだな」
「………………」
「一度も会った事もない推しのタレントさんを、自分の中で一方的に理想の相手として美化してしまう……」
「………………」
「10年間の長い月日が、離れていたふたりを、そうしている可能性はゼロとは言えないだろう?」
「………………」
「だから、凛ちゃんと颯真君が、ふたりでじっくりと話して、仲を深め、互いの気持ちを確かめて合ってから、恋に踏み出すのが、一番ベストだと俺は思う……あくまで俺の個人的な意見だけど、……以上だ」
海斗君の話が終わった。
遥も軽くふうと息を吐く。
「海斗……ありがとう」
「おお、どういたしまして。まずはこんなところだな」
「それで、海斗の話は終わり?」
「ああ、とりあえずはな」
「じゃあ、意見は一応一致している。4人とも」
遥の言葉を聞き、海斗君が驚く。
「え? 遥。 何、4人って? この3人じゃなく?」
「うん! 4人! 実はね、後々の事も考えて、彩乃ママにも味方になって貰ってるんだ」
遥と海斗君は休日一緒に、わが家へ遊びに来た事がある。
お父さんとお母さんに会って、話して意気投合した。
「ああ、凛ちゃんのお母さんの彩乃ママさんか! 成る程な! 娘ひとすじの健太パパさんの対策も考えなくちゃいけないもんなあ……」
海斗君がこういうのは、理由がある。
その時、お父さんが、私と同じくらい可愛がってる遥の事を、
「遥ちゃんを、絶対大事にしてくれよ! 約束してくれ!」
と、何度も海斗君へ、実の父親のように、頼んでいたのだ。
恐縮する海斗君が止めなければ、お父さんは頭も下げていたかもしれない。
少しだけ呆れた……
いくら私の親友とはいえ、他人の娘なのに……凄く入れ込んじゃって。
どうやら、遥に、私をだぶらせたみたい……
と、お母さんは苦笑して言っていたけど。
さてさて!
海斗君の言葉を聞き、遥も同意。
「うん! 海斗! その通り! でさ! 凛と颯真君が、ふたりでじっくりと話して、互いの気持ちを確かめてから、恋に踏み出すのが、ベストだって、私たち、3人全員で思ってるの」
「ああ、そうだったんだ」
「うん、海斗も同じ意見だから、すっごく安心した。でもさ」
「でも?」
「うん、ここで話がストップしてるの」
「ストップ?」
「ええ、さっき凛が話した通り、休み時間も、授業中も、それ以外の時間でも、颯真君と、コミュニケーションがほとんど取れない。唯一、凛があいさつした時、颯真君が、あいさつを返してくれるくらいなの」
遥の話を聞き、海斗君は渋い顔だ。
「そうか……停滞してるって事か」
「うん! 完全に停滞してる。それでベストなアプローチ方法を考え出すまで、『自分磨き』をして、スペック上げするように彩乃ママから言われて、私も一緒にやる事になったのよ」
「自分磨き? 遥も一緒にやるのか?」
「うん! 私も良い事だと思って、もう一緒にやってる! 凛が自分の魅力を高めるようにって言われて始めたのよ」
「へえ! 面白そうだな。具体的に何をするんだい?」
「うん、彩乃ママがね、言ったわ。……例えば、素敵な笑顔を見せられるようにする! 丁寧な言葉を使う! あいさつをしっかりする! ありがとう、ごめんなさい、をちゃんと言う! 話し上手よりも、聞き上手になる! ポジティブ思考を持つ! とかね!」
「おお、いちいち納得する。それそのまま男子にもあてはまるな」
「でしょ? 外見も磨けって、言ってたよ」
「外見?」
「うんっ! まず清潔感を持つのが大事。肌、髪、爪、は特にキレイに! メイクはナチュラルで魅せる! ファッションは白か、パステルカラーの服を着る! とかね!」
「おお、まず清潔感か! ファッションだけは好みの問題だから、それ以外は、おおむね同意だ。俺も自分磨きをやってみよう」
ええっと……
お~い、もしもし?
ふたりとも、なんか、話がそれてますよぉ!
と、心の中で叫んだ私に、
「うん! じゃあ俺も颯真君へのアプローチ方法を考える。男子ルートで情報収集をしてみるよ」
と笑顔の海斗君は、改めて協力を約束。
「うん! 海斗、宜しくね!」
と、遥も念を押してくれたのである。