運命の再会!初恋は突然に!
第31話「後は、私が頑張らなきゃ!」
「遥、もうひとつ、相談があるの」
「相談?」
「颯真君ファンのクラス女子の事。このまま私と颯真君が付き合うと、いろいろ問題になるだろうからって」
私が言うと、遥も納得する。
「あ、そうだよね。今後の人間関係もあるし、確かにそれは、大きな問題かも! で、彩乃ママは、何か言ってた?」
「颯真君が覚悟をもって、取り巻きのクラス女子たちと距離を置く事だって」
遥はお母さんのアドバイスを聞き、少し口ごもる。
「う~ん。確かにそれはそうだよね……」
私は更に話を続ける。
「さすがに『私と付き合うから!』 とストレートには言えないから……『俺には好きな人が居る』って、クラス女子たちに告げて貰うんだって」
「まあ、それは良いと思うけど」
思う……けど?
遥は何か、引っかかっているのだろうか?
私は気になりながらも、更に話を続ける。
「うん、私と付き合っているのに、大勢のクラス女子達と休み時間には、いっつも囲まれるとか、学食には一緒にぞろぞろって行くとか、いつまでもそんな状況はよろしくない。だから、颯真君自身から、『実は俺には好きな人が居る』から、って言って貰えばとアドバイスされたわ」
「成る程ねえ……」
「もしも、その好きな人は誰なの? って取り巻きのクラス女子達から聞かれたら、それは絶対に言えないと、颯真君には徹底的に突っぱねて貰うの。なぜなら、好きな相手の気持ちが分からないって……これから、お互いの事を知って行くって、ね」
「うんうん……そうか」
「だから、悪いけれど、君たちとは普通のクラスメートとして、接したい。颯真君から、クラス女子達へきっぱりと言って貰うのよ。……それで、たいていの女子は諦めるでしょうからって……」
「まあねえ……常識的な人は諦めるでしょうねえ。例外は居るかもしれないけれど」
「うん……それと私と颯真君の出会いのエピソードは、クラスの殆どが知ってるんでしょ? って言われたわ」
「……うん、颯真君が話したから、ほぼ全員、知っているよね」
「私も、お母さんへそう言った。そしてね、今日の相原さんの『事件』は皆が見ているじゃない。目の当たりにしている。だから、勘の鋭い子や空気が読める子は、颯真君が好きなのは、凛だって、すぐに気づくわって」
「確かに、そうかも」
「それに颯真君、クラスのみんなに言ったから。俺と凛の想い出をとやかく言うなって」
「そっか! 納得。彩乃ママのアドバイスは、まあ流れとしては問題ないと思う」
「え? 流れとしては問題ない?」
やっぱり遥は、少し考えるところがあるようだ。
と思ったら、遥は、
「うん、進め方としてはおおむねOK! ねえ、凛、私の意見を言っても構わない?」
と、自分の考えを述べたいと告げて来た。
当然、私は了解する。
基本はこのまま行きたい。
けれど、遥の考えをぜひ聞いておきたい。
「うん! ぜひ! お願いします!」
「分かった! 私、基本的には彩乃ママには賛成するけど、少しだけ時間をかけた方が良いと思う」
「少しだけ? 時間をかけた方が?」
え?
お母さんのアドバイスには賛成。
だけど、少し時間をかける?
どういう事だろうか?
「うん! 焦りは禁物……だと思う」
「焦りは……禁物」
「だって! もう凛と颯真君はお互いの気持ちを確かめたんでしょ? 互いに、ゆるがない、しっかりした想いだって」
「うん! そうだよ!」
私と颯真君の想いは一緒だった。
確信している!
そんな私に、遥は問う。
「だったら、凛……もしも颯真君の周りに他の女子がたくさん居ても、いろいろと話しかけられても……焦らず、騒がず、堂々としていられるわよね?」
うわ!?
もしも颯真君の周りに他の女子がたくさん居ても、いろいろと話しかけられても……
それって……結構、きつくない?
私は考え込み、無言となってしまった。
「………………」
「こら! 凛! 今からそんな事でどうするの? しっかりしなさい!」
私のチキンハートが遥に読まれ、しかられてしまった。
「遥……」
「凛! 私からの提案。質問せず……ひと通り、聞いてくれる」
「う、わ、分かった」
「クラスメート達は、凛と颯真君の出会いエピソードを知っている。それに関して口を出して欲しくない。凛に何かちょっかいを出すのも許さないと、颯真君は言ってくれたんだよね」
「………………」
「今日の相原さんの一件もあったじゃない。颯真君は凛をかばった! クラスメート女子の記憶に、この事件はしっかりと刻まれた。……だから、こうするの」
「………………」
「話としては、凛への気持ちを改めて、確かめたいと、颯真君がデートに誘ったという事にする」
「………………」
「でも、凛は奥手で颯真君と1対1でデートするのが不安。だから私と海斗を一緒に誘った……4人で会おうという事にする」
「………………」
「そして、何回か、4人でダブルデートをするの!」
「………………」
「デートだけじゃない! 学校でランチも一緒に4人だけで一緒に行く。クラス女子の誘いは、颯真君にきっぱり断って貰う」
「………………」
「ここで、大体の女子は察して、分かると思うよ」
「………………」
「そして、凛と颯真君は、お互いの気持ちを確かめ合い、付き合う事となった! ……という『バックグラウンドストーリー』にする」
「………………」
「ここで彩乃ママの言う通り、まだクラス女子たちが颯真君の周囲に来るのならば、君達とは普通のクラスメートとして接したいという、宣言をして貰うの、颯真君にはね!」
「………………」
「なぜ? ってクラス女子から聞かれたら、俺はやっぱり山脇凛が好きだ。気持ちを確かめたから、付き合う事にするって、きっぱり宣言して貰う」
「………………」
「それでもまだ、クラス女子がくっついて来るようであれば、凛が女子たちへ突撃するの! 不安かもしれないけれど、大丈夫! 私も凛に付き合うからね」
「………………」
「突撃と、いってもね。ケンカをするわけじゃないよ。ただただ普通に振舞うだけ」
「………………」
「しばらくは、皆で一緒に行動する。そうこうしているうちに、くっついている子も、徐々にフェードアウトすると思う」
「………………」
「……以上! どうかな? 基本は彩乃ママのアドバイス通りだと思う」
遥は本当に凄い。
私と颯真君、クラスの皆の事も考えている。
私も頑張らなきゃ!
もっともっと変わらなきゃ!
「あと、凛。これ要注意!」
「え? 要注意って?」
「人と人との兼ね合いだから、どんなに考えてもリスクはある。冷たいと思うし、べたな言い方なんだけど、もしも上手く行かず、トラブっても凛の自己責任だよ」
はっきり言い切る遥。
かえって、信用出来る!
「自己責任? うん! 分かった! 私の初恋なんだもの! 遥やお母さんのせいには絶対しない! 迷惑はかけないよ!」
「よっし、了解! でも安心して! もしもトラブったら、私や海斗が、出来る限りフォローするからね」
「あ、ありがとう!」
「それとね! 私に相談したっていうのはともかく! お母さんに全部言った、恋の相談をしたって、颯真君には言わない方がベストよ! 」
「え? そ、そう?」
「うん! 付き合い始めの彼氏から見て、母べったりの女子って、結構なマイナスイメージになるから! 経験者は語る! バイ、遥! って感じ、うふふふ。さあ! 颯真君に電話、電話! レッツラゴー!」
ああ!
遥!
何から何まで、本当にありがとう!
後は、私が頑張らなきゃ!
「本当に本当にありがとう! 遥!」
私はスマホの向こうの遥へ改めてお礼を言い、
「まっかせて! お安い御用!」
という声に対し、深々と頭を下げたのであった。
「相談?」
「颯真君ファンのクラス女子の事。このまま私と颯真君が付き合うと、いろいろ問題になるだろうからって」
私が言うと、遥も納得する。
「あ、そうだよね。今後の人間関係もあるし、確かにそれは、大きな問題かも! で、彩乃ママは、何か言ってた?」
「颯真君が覚悟をもって、取り巻きのクラス女子たちと距離を置く事だって」
遥はお母さんのアドバイスを聞き、少し口ごもる。
「う~ん。確かにそれはそうだよね……」
私は更に話を続ける。
「さすがに『私と付き合うから!』 とストレートには言えないから……『俺には好きな人が居る』って、クラス女子たちに告げて貰うんだって」
「まあ、それは良いと思うけど」
思う……けど?
遥は何か、引っかかっているのだろうか?
私は気になりながらも、更に話を続ける。
「うん、私と付き合っているのに、大勢のクラス女子達と休み時間には、いっつも囲まれるとか、学食には一緒にぞろぞろって行くとか、いつまでもそんな状況はよろしくない。だから、颯真君自身から、『実は俺には好きな人が居る』から、って言って貰えばとアドバイスされたわ」
「成る程ねえ……」
「もしも、その好きな人は誰なの? って取り巻きのクラス女子達から聞かれたら、それは絶対に言えないと、颯真君には徹底的に突っぱねて貰うの。なぜなら、好きな相手の気持ちが分からないって……これから、お互いの事を知って行くって、ね」
「うんうん……そうか」
「だから、悪いけれど、君たちとは普通のクラスメートとして、接したい。颯真君から、クラス女子達へきっぱりと言って貰うのよ。……それで、たいていの女子は諦めるでしょうからって……」
「まあねえ……常識的な人は諦めるでしょうねえ。例外は居るかもしれないけれど」
「うん……それと私と颯真君の出会いのエピソードは、クラスの殆どが知ってるんでしょ? って言われたわ」
「……うん、颯真君が話したから、ほぼ全員、知っているよね」
「私も、お母さんへそう言った。そしてね、今日の相原さんの『事件』は皆が見ているじゃない。目の当たりにしている。だから、勘の鋭い子や空気が読める子は、颯真君が好きなのは、凛だって、すぐに気づくわって」
「確かに、そうかも」
「それに颯真君、クラスのみんなに言ったから。俺と凛の想い出をとやかく言うなって」
「そっか! 納得。彩乃ママのアドバイスは、まあ流れとしては問題ないと思う」
「え? 流れとしては問題ない?」
やっぱり遥は、少し考えるところがあるようだ。
と思ったら、遥は、
「うん、進め方としてはおおむねOK! ねえ、凛、私の意見を言っても構わない?」
と、自分の考えを述べたいと告げて来た。
当然、私は了解する。
基本はこのまま行きたい。
けれど、遥の考えをぜひ聞いておきたい。
「うん! ぜひ! お願いします!」
「分かった! 私、基本的には彩乃ママには賛成するけど、少しだけ時間をかけた方が良いと思う」
「少しだけ? 時間をかけた方が?」
え?
お母さんのアドバイスには賛成。
だけど、少し時間をかける?
どういう事だろうか?
「うん! 焦りは禁物……だと思う」
「焦りは……禁物」
「だって! もう凛と颯真君はお互いの気持ちを確かめたんでしょ? 互いに、ゆるがない、しっかりした想いだって」
「うん! そうだよ!」
私と颯真君の想いは一緒だった。
確信している!
そんな私に、遥は問う。
「だったら、凛……もしも颯真君の周りに他の女子がたくさん居ても、いろいろと話しかけられても……焦らず、騒がず、堂々としていられるわよね?」
うわ!?
もしも颯真君の周りに他の女子がたくさん居ても、いろいろと話しかけられても……
それって……結構、きつくない?
私は考え込み、無言となってしまった。
「………………」
「こら! 凛! 今からそんな事でどうするの? しっかりしなさい!」
私のチキンハートが遥に読まれ、しかられてしまった。
「遥……」
「凛! 私からの提案。質問せず……ひと通り、聞いてくれる」
「う、わ、分かった」
「クラスメート達は、凛と颯真君の出会いエピソードを知っている。それに関して口を出して欲しくない。凛に何かちょっかいを出すのも許さないと、颯真君は言ってくれたんだよね」
「………………」
「今日の相原さんの一件もあったじゃない。颯真君は凛をかばった! クラスメート女子の記憶に、この事件はしっかりと刻まれた。……だから、こうするの」
「………………」
「話としては、凛への気持ちを改めて、確かめたいと、颯真君がデートに誘ったという事にする」
「………………」
「でも、凛は奥手で颯真君と1対1でデートするのが不安。だから私と海斗を一緒に誘った……4人で会おうという事にする」
「………………」
「そして、何回か、4人でダブルデートをするの!」
「………………」
「デートだけじゃない! 学校でランチも一緒に4人だけで一緒に行く。クラス女子の誘いは、颯真君にきっぱり断って貰う」
「………………」
「ここで、大体の女子は察して、分かると思うよ」
「………………」
「そして、凛と颯真君は、お互いの気持ちを確かめ合い、付き合う事となった! ……という『バックグラウンドストーリー』にする」
「………………」
「ここで彩乃ママの言う通り、まだクラス女子たちが颯真君の周囲に来るのならば、君達とは普通のクラスメートとして接したいという、宣言をして貰うの、颯真君にはね!」
「………………」
「なぜ? ってクラス女子から聞かれたら、俺はやっぱり山脇凛が好きだ。気持ちを確かめたから、付き合う事にするって、きっぱり宣言して貰う」
「………………」
「それでもまだ、クラス女子がくっついて来るようであれば、凛が女子たちへ突撃するの! 不安かもしれないけれど、大丈夫! 私も凛に付き合うからね」
「………………」
「突撃と、いってもね。ケンカをするわけじゃないよ。ただただ普通に振舞うだけ」
「………………」
「しばらくは、皆で一緒に行動する。そうこうしているうちに、くっついている子も、徐々にフェードアウトすると思う」
「………………」
「……以上! どうかな? 基本は彩乃ママのアドバイス通りだと思う」
遥は本当に凄い。
私と颯真君、クラスの皆の事も考えている。
私も頑張らなきゃ!
もっともっと変わらなきゃ!
「あと、凛。これ要注意!」
「え? 要注意って?」
「人と人との兼ね合いだから、どんなに考えてもリスクはある。冷たいと思うし、べたな言い方なんだけど、もしも上手く行かず、トラブっても凛の自己責任だよ」
はっきり言い切る遥。
かえって、信用出来る!
「自己責任? うん! 分かった! 私の初恋なんだもの! 遥やお母さんのせいには絶対しない! 迷惑はかけないよ!」
「よっし、了解! でも安心して! もしもトラブったら、私や海斗が、出来る限りフォローするからね」
「あ、ありがとう!」
「それとね! 私に相談したっていうのはともかく! お母さんに全部言った、恋の相談をしたって、颯真君には言わない方がベストよ! 」
「え? そ、そう?」
「うん! 付き合い始めの彼氏から見て、母べったりの女子って、結構なマイナスイメージになるから! 経験者は語る! バイ、遥! って感じ、うふふふ。さあ! 颯真君に電話、電話! レッツラゴー!」
ああ!
遥!
何から何まで、本当にありがとう!
後は、私が頑張らなきゃ!
「本当に本当にありがとう! 遥!」
私はスマホの向こうの遥へ改めてお礼を言い、
「まっかせて! お安い御用!」
という声に対し、深々と頭を下げたのであった。