運命の再会!初恋は突然に!
第42話「凛さんに逢えたからこそ! 救われたんです!」
居間に通された私、颯真君、遥、海斗君の4人。
時間もないので、全員制服のまま歓談する事になった。
「彩乃ママ、こんにちは!」
「こんにちは! 彩乃ママ!」
「こんにちは、遥ちゃん! 海斗君はごぶたさね!」
家族付き合いしているから、遥と海斗君はお母さんに対してフレンドリー。
お母さんもそう。
少しびっくりする颯真君。
この中で初対面は、颯真君とお母さんのみ。
ふたりはあいさつを交わす。
少し緊張気味の颯真君が先にあいさつをしようとするのを手で制し、
お母さんが先にあいさつをする。
「凛の母で、山脇彩乃です。初めまして、岡林颯真さん」
対して、颯真君は声を張り上げ、
私は心の中で、「頑張れ! 颯真君!」と声援を送る。
「は、初めまして! お、岡林颯真です! り、凛さんと! お付き合いさせて貰っていますっ!」
少し……嚙んだけれど、颯真君はしっかりとあいさつした。
よ、良かったあ!
と、ここで、お母さんは深々と頭を下げた。
「え!?」
驚き、戸惑う颯真君であったが、お母さんは、
「岡林颯真さん。娘と同じく、お伝えするのがとても遅くなりましたが、心よりのお礼を言わせてください。10年前、迷子になった凛をショッピングモールで助けて頂き、本当にありがとうございました! 深く深く感謝致します」
お母さんのお礼を受け、颯真君は更にびっくりしてしまった。
しかし、気を取り直すと、颯真君はきっぱりと言い放つ。
「いえ! 自分こそです! この街へ10年ぶりに戻って、すっかり変わってしまった生まれ故郷で、凛さんに再び逢えたからこそ! 救われたんです! 落ち込んでいましたが、前向きになれたんです!」
そしてここまでの心の葛藤を、自ら颯真君は話してくれた。
10年ぶりに、この街へ帰って来て、
まずは私と再会する事を楽しみにしていた事。
そして子供の頃の思い出をたどりたかった事。
結果……颯真君は、
私には、まるで奇跡のように再会する事は叶ったけれど……
いろいろあり、あまり話せなくてもどかしかった事。
再開発された街に、颯真君の想い出は、ほとんど残っていなかった事。
そんなこんなで結構、颯真君にはストレスがたまっていた、そんな時……
相原さんに強引に誘われていた私を助け、余計な事をしたと後悔した事。
そのまま学校に居たくなくて、体調不良だと偽り、早退してしまった事。
そして私と出会い、ふたりきりで、お互いの本音を言い合い……
わだかまりが、すっかり解けた事。
結果、素直になった私たちは付き合う事となった……
いろいろあって、私はお母さん、遥へその話をしていた。
海斗君も、遥から聞いているかもしれない。
だが、誰も、余計な事を言わなかった。
真剣な表情で、自分の気持ちを語る、颯真君を邪魔する者は居なかったのだ。
「そうだったんですか。でも、岡林颯真さん、私の貴方に対する感謝の気持ちは全く変わりません」
「は、はい」
「凛と貴方が、お付き合いしている事も知っていますよ。凛の事、宜しくお願い致しますね」
お母さんが柔らかい笑顔ながら、きっぱりと言い、
対して、颯真君は噛みながらも、
「は、はい! 凜さんの事、本当に大切にします!」
としっかり答えたから、座は一気に和やかとなった。
そして、颯真君の持参したおみやげの洋菓子を食べながら、
いろいろな話に花を咲かせ、
ラスボスの『対お父さん作戦』も万全なものとしたのである。
時間もないので、全員制服のまま歓談する事になった。
「彩乃ママ、こんにちは!」
「こんにちは! 彩乃ママ!」
「こんにちは、遥ちゃん! 海斗君はごぶたさね!」
家族付き合いしているから、遥と海斗君はお母さんに対してフレンドリー。
お母さんもそう。
少しびっくりする颯真君。
この中で初対面は、颯真君とお母さんのみ。
ふたりはあいさつを交わす。
少し緊張気味の颯真君が先にあいさつをしようとするのを手で制し、
お母さんが先にあいさつをする。
「凛の母で、山脇彩乃です。初めまして、岡林颯真さん」
対して、颯真君は声を張り上げ、
私は心の中で、「頑張れ! 颯真君!」と声援を送る。
「は、初めまして! お、岡林颯真です! り、凛さんと! お付き合いさせて貰っていますっ!」
少し……嚙んだけれど、颯真君はしっかりとあいさつした。
よ、良かったあ!
と、ここで、お母さんは深々と頭を下げた。
「え!?」
驚き、戸惑う颯真君であったが、お母さんは、
「岡林颯真さん。娘と同じく、お伝えするのがとても遅くなりましたが、心よりのお礼を言わせてください。10年前、迷子になった凛をショッピングモールで助けて頂き、本当にありがとうございました! 深く深く感謝致します」
お母さんのお礼を受け、颯真君は更にびっくりしてしまった。
しかし、気を取り直すと、颯真君はきっぱりと言い放つ。
「いえ! 自分こそです! この街へ10年ぶりに戻って、すっかり変わってしまった生まれ故郷で、凛さんに再び逢えたからこそ! 救われたんです! 落ち込んでいましたが、前向きになれたんです!」
そしてここまでの心の葛藤を、自ら颯真君は話してくれた。
10年ぶりに、この街へ帰って来て、
まずは私と再会する事を楽しみにしていた事。
そして子供の頃の思い出をたどりたかった事。
結果……颯真君は、
私には、まるで奇跡のように再会する事は叶ったけれど……
いろいろあり、あまり話せなくてもどかしかった事。
再開発された街に、颯真君の想い出は、ほとんど残っていなかった事。
そんなこんなで結構、颯真君にはストレスがたまっていた、そんな時……
相原さんに強引に誘われていた私を助け、余計な事をしたと後悔した事。
そのまま学校に居たくなくて、体調不良だと偽り、早退してしまった事。
そして私と出会い、ふたりきりで、お互いの本音を言い合い……
わだかまりが、すっかり解けた事。
結果、素直になった私たちは付き合う事となった……
いろいろあって、私はお母さん、遥へその話をしていた。
海斗君も、遥から聞いているかもしれない。
だが、誰も、余計な事を言わなかった。
真剣な表情で、自分の気持ちを語る、颯真君を邪魔する者は居なかったのだ。
「そうだったんですか。でも、岡林颯真さん、私の貴方に対する感謝の気持ちは全く変わりません」
「は、はい」
「凛と貴方が、お付き合いしている事も知っていますよ。凛の事、宜しくお願い致しますね」
お母さんが柔らかい笑顔ながら、きっぱりと言い、
対して、颯真君は噛みながらも、
「は、はい! 凜さんの事、本当に大切にします!」
としっかり答えたから、座は一気に和やかとなった。
そして、颯真君の持参したおみやげの洋菓子を食べながら、
いろいろな話に花を咲かせ、
ラスボスの『対お父さん作戦』も万全なものとしたのである。