君の熱で甘く、溶ける。
確か逢坂くんの身長は嘘かホントか分からないけど190センチ近いって聞いたことあるかも。それだけ高い人なんてそんなにいないしたしかにすごく目立つ。
うーん、見上げてると首が痛くなるくらいには身長高いし、なんてぼうっと眺めているとばちりと逢坂くんと目があう。
「……あけましておめでとう、橘」
「あ、あけましておめでとう、逢坂くん」
反射的に新年の挨拶を返すと、ん、と満足そうに逢坂くんが八重歯を覗かせて笑う。まるで大型犬みたいな雰囲気のせいか全然部長感がない。怖さとか変なプレッシャーとかなくてみんな仲良くて良いと思うけど。
逢坂くんは私と同級生で部のエース的存在。先輩後輩みたいなのはなくて、友達みたいだけど1年生にとっても憧れの存在。
それでも全く偉そうにするわけではないから、うちの部がアットホームな雰囲気なのはきっと逢坂くんの影響だ。
「ねえ逢坂くん。他の人たちってもう来てるか分かる?」
「あ!そうだ、さっき合流して橘たちを探しにきたんだった」
ごめんごめんと忘れていたことを謝ると1年生男子たちがしっかりして下さいよ〜と逢坂くんをからかう。
1年生の女の子たちもくすくすと笑っていてまるで新年の親戚の集まりみたいだ。