君の熱で甘く、溶ける。
「あ!逢坂、こっちこっち!」
「お、いたいた」
逢坂くんのあとをみんなで集団登校みたいな感じでついていくと、見知った顔ぶれが木の下に集まっていた。男女で数十人もいる大所帯だ。
「あれ、逢坂の邪魔なバカでかい背のせいで橘見えなかった」
「そんな邪魔じゃないだろ」
けらけらと笑い、みんなの中心にいる君はいつも明るくて、太陽みたいでこんなに寒いのに君のそばはいつもあったかい。
「ひな〜あけおめ!」
「あけましておめでとう〜」
待ちくたびれたよ〜と抱きついてくるみんなに新年の挨拶をかわす。日の当たらない木の下で待っていたからきっと寒かったに違いない。
「みんな合流するの遅れてごめんねー」
「いいの、いいの。でも迎えに行った逢坂が帰って来るの遅すぎたからさ、もしかして逢坂が抜け駆けしたんじゃないって話してたんだよ」