君の熱で甘く、溶ける。

「……いない」


みんなのことを探しても…見当たらない。女子も男子も、後輩も。


「…え、私ひとりぼっち」


さっきまで賑やかだったから、ひとりなのがさみしく感じる。みんなそんなに初詣楽しみにしてただろうか。


「……橘」


突然の声の発生源に驚くと隣にあったのは柱じゃなくて、逢坂くんだったらしく。


「お、逢坂くん?……どうしたの。もしかして逢坂くんも置いてかれちゃったの」


隣の彼を見上げるとまたもばちりと視線があう。


「……?」


それもじっと見つめてくるから、こっちが視線をうろうろと定まらないし胸もどきどきとうるさい。
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