君の熱で甘く、溶ける。
「あっ!橘ちゃんだ!あけおめ〜!」
「あけましておめでとう、美々ちゃん」
美々ちゃんは最近部活の練習にもよく来てくれるから話す機会も少なくない。愛嬌があって、可愛くて、優しい。話しているとだんだん分かってくる。
これだけ幼馴染の美々ちゃんが素敵だと、私なんかが逢坂くんの隣にいるのなんてできるわけないって思い知らされる。
「ねえ、紘人〜はやくお参り行こーよー」
腕を絡ませ、上目遣いで逢坂くんを見上げる美々ちゃんはきっと逢坂くんのことが好きだ。だって、クラスが違うのによく逢坂くんのクラスにいたり、ここ最近、放課後だって練習を見に来ている。
それに逢坂くんだって、ただの幼馴染って言ってるけど、こんなにかわいい子からアプローチされたら拒否できるわけがない。